“低(ひくき)” の例文
低(ひくき)に随(したがつ)て今来りたる方へ乗下(のりくだ)りたるに、一束(いつそく)の柴雪車より転(まろ)び落(おち)、谷を埋(うづめ)たる雪の裂隙(われめ)にはさまり(凍りし雪陽気を得て裂る事常也)たるゆゑ
されども人毎(ひとごと)に業用(げふよう)にさゝへて時を失(うしな)ふか、又は一夜の大雪にかの水源(すゐげん)を塞(ふさ)ぐ時は、水溢(あぶれ)て低(ひくき)所を尋(たづね)て流(なが)る。
勝手(かつて)の方へ立いで見れば家内(かない)の男女狂気(きやうき)のごとく駈(かけ)まはりて、家財(かざい)を水に流(なが)さじと手当(てあたり)しだいに取退(とりのく)る。水は低(ひくき)に随て潮(うしほ)のごとくおしきたり、已(すで)に席(たゝみ)を浸(ひた)し庭(には)に漲(みなぎ)る。