“取退”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とりの75.0%
とりのく25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて壇に登るべき立女形たておやまに対して目触めざわりだ、と逸早く取退とりのけさせ、樹立こだちさしいでて蔭ある水に、例の鷁首げきしゅの船をうかべて、半ば紫の幕を絞ったうちには、鎌倉殿をはじめ、客分として、県の顕官
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
松飾などはとう取退とりのけられて、人々は沈滞した二月を遊び疲れた後の重い心でものうげに迎えようとしていたが、それでも未だ都大路には正月気分の抜け切らない人達が、折柄の小春日和びよりに誘われて
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
勝手かつての方へ立いで見れば家内かないの男女狂気きやうきのごとくかけまはりて、家財かざいを水にながさじと手当てあたりしだいに取退とりのくる。水はひくきに随てうしほのごとくおしきたり、すでたゝみひたにはみなぎる。