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ごこち
ふりがな文庫
“
心地
(
ごこち
)” の例文
酒のように酔い
心地
(
ごこち
)
にのみ込みながら「あなただけにそうはさせておきませんよ。わたしだって定子をみごとに捨てて見せますからね」
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
巡査
(
おまわり
)
さんに咎められましたのは、
親父
(
おやじ
)
今がはじめてで、はい、もうどうなりますることやらと、人
心地
(
ごこち
)
もござりませなんだ。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は、しばらく、ぼうっとして、
酔
(
よ
)
い
心地
(
ごこち
)
になってしまいました。なにか、
自分
(
じぶん
)
の
好
(
す
)
きな
花
(
はな
)
を
買
(
か
)
って
帰
(
かえ
)
ろうと
思
(
おも
)
いました。
花と少女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いままでの分は、足にぴったりとしてはき
心地
(
ごこち
)
はよかったが、ひどい
古靴
(
ふるぐつ
)
で、雨がふると、じくじくと水がしみこんできた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
お種は旅で伊豆の春に逢うかと思うと、夫に別れてから以来の事を今更のように考えてみて、海岸の砂の上へ倒れかかりそうな
眩暈
(
めまい
)
心地
(
ごこち
)
に成った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
その
後
(
ご
)
も
私
(
わたくし
)
は
幾度
(
いくど
)
となくこの
竜宮街道
(
りゅうぐうかいどう
)
を
通
(
とお
)
りましたが、
何度
(
なんど
)
通
(
とお
)
って
見
(
み
)
ても
心地
(
ごこち
)
のよいのはこの
街道
(
かいどう
)
なのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
白雪のふれば幽かに、たまゆらは澄みてありけど、白雪の
消
(
け
)
ぬるたまゆら、ほのかなるまたも
消
(
け
)
にけり。白雪のはかな
心地
(
ごこち
)
の、我身にも
遣
(
や
)
るかたもなし。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鉱泉と名のつく以上は、色々な成分を含んでいるのだろうが、色が純透明だから、
入
(
はい
)
り
心地
(
ごこち
)
がよい。折々は口にさえふくんで見るが別段の味も
臭
(
におい
)
もない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は部屋を決める時、半永久的に床を自分の趣味で張りかえ、壁紙や
窓帷
(
カアテン
)
も取りかえて、建築の基本的なものに触れない程度で、住み
心地
(
ごこち
)
の好いように造作を造りかえた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ところがやがて、青春や、ほがらかな天気や、さわやかな空気や、さっさと歩く快さや、
茂
(
しげ
)
った草の上にひとり身を横たえる
酔
(
よ
)
い
心地
(
ごこち
)
や——そうしたものの方が勝ちを占めてしまった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
やがてリストが客人や門弟に
囲繞
(
いにょう
)
されて、自作のロ短調のソナタについて長々と説明を始めた頃、ブラームスは
臍
(
へそ
)
の緒を切って以来始めて
坐
(
すわ
)
った安楽椅子の
凭
(
よ
)
り
心地
(
ごこち
)
のよさに誘われて
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
日が暮れて
路
(
みち
)
を見失った旅人の話、むかし彼が子供の頃よくきかされたお
伽噺
(
とぎばなし
)
に出てくる夕暮、日没とともに忍びよる魔ものの姿、そうした、さまざまの
脅
(
おび
)
え
心地
(
ごこち
)
が、どこか遠くからじっと
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
ねむり
心地
(
ごこち
)
にあるいてゆくのです。
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
鶯
(
うぐいす
)
も花の色香に
酔
(
よ
)
い
心地
(
ごこち
)
。
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
その右手の
頑丈
(
がんじょう
)
な踏み
心地
(
ごこち
)
のいい
階子段
(
はしごだん
)
をのぼりつめると、他の
部屋
(
へや
)
から廊下で切り放されて、十六畳と八畳と六畳との部屋が
鍵形
(
かぎがた
)
に続いていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
町の曲がり
角
(
かど
)
で、急に車が
停
(
と
)
まるとか、また動き出すとか、何か私たちの乗り
心地
(
ごこち
)
を刺激するものがあると、そのたびに次郎と末子とは、
兄妹
(
きょうだい
)
らしい軽い
笑
(
え
)
みをかわしていた。
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
総桐
(
そうぎり
)
の
箪笥
(
たんす
)
が三
棹
(
さお
)
も
箝
(
は
)
め込みになっており、押入の
鴨居
(
かもい
)
の上にも余地のないまでに
袋戸棚
(
ふくろとだな
)
が
設
(
しつら
)
われ、
階下
(
した
)
の抱えたちの寝起きする狭苦しさとは打って変わって住み
心地
(
ごこち
)
よく工夫されてあった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
すると
御尻
(
おしり
)
がぶくりと云った。よほど坐り
心地
(
ごこち
)
が好くできた椅子である。鏡には自分の顔が立派に映った。顔の
後
(
うしろ
)
には窓が見えた。それから
帳場格子
(
ちょうばごうし
)
が
斜
(
はす
)
に見えた。格子の中には人がいなかった。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
白雪の
果敢
(
はか
)
な
心地
(
ごこち
)
の我身にも遣る方もなし。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ふと車が
停
(
と
)
まって
梶棒
(
かじぼう
)
がおろされたので葉子ははっと夢
心地
(
ごこち
)
からわれに返った。恐ろしい吹き降りになっていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ある日も私は次郎と連れだって、
麻布
(
あざぶ
)
笄町
(
こうがいちょう
)
から
高樹町
(
たかぎちょう
)
あたりをさんざんさがし回ったあげく、住み
心地
(
ごこち
)
のよさそうな借家も見当たらずじまいに、むなしく
植木坂
(
うえきざか
)
のほうへ帰って行った。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして葉子の言葉どおりちょっと住み
心地
(
ごこち
)
のいい間取りで、玄関を上がって、
椅子
(
いす
)
や
卓子
(
テイブル
)
のほどよく配置されたサロンを廊下へ出て、奥の方へ行くと、そこに
住居
(
すまい
)
の方と
懸
(
か
)
け離れた十畳の座敷があり
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“心地”で始まる語句
心地好
心地快
心地悪
心地惡
心地観経