“成済”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なりすま60.0%
なりす40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この腰元ははるといひて、もとお村とは朋輩なりしに、お村はちようを得てお部屋と成済なりすまし、常にあごて召使はるゝを口惜くちをしくてありけるにぞ、今く偶然に枕を並べたる二人ににんすがたを見るより
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
処でおらの旦那がお世辞半分に新聞記者の天職をさかんなりと褒めて娘も新聞記者につもりだと戯謔面からかひづら煽動おだてたから、先生グツト乗気になつて早やむこ君に成済なりすましたやうな気で毎日入浸いりびたつてゐる。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
人並にしていれば、中性のインヂフェレントの性慾を無理に不自然な病的の物にして、クラフトエービングやフォレールの著書中に散見するような色情狂に想像で成済なりすまして
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
続いて金港堂から美妙斎を主筆とした『都之花みやこのはな』とが発行されて、純文芸雑誌としてのエポックを作ったので、美妙斎の名は忽ち喧伝けんでんされて、トントン拍子に一方の旗頭はたがしら成済なりすましてしまった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)