“万感”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばんかん66.7%
まんかん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忠左衛門と内蔵助と、何方どちらも、ことば数の少い者同士が、二言ふたこと三言に、万感ばんかんを語りあっていると、九郎兵衛は用ありげに、その間に広間の方へ立ち去っていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万感ばんかん胸に迫って、むしろなんの感慨もないにひとしい。端座してしずかに庭のほうを眺めやると、築山つきやまの下に大きな白膠木ぬるでのもみじがあって、風が吹くたびにヒラヒラと枯葉を飛ばす。
それよりは心を静め思いを転じて、いきながら死せる気になり、万感まんかんを排除する事につとめしかば宿屋よりも獄中の夢安く、翌朝目覚めざめしは他の監房にて既に食事のみし頃なりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)