トップ
>
済
>
な
ふりがな文庫
“
済
(
な
)” の例文
旧字:
濟
良兼は
何様
(
どう
)
かして勝を得ようとしても、
尋常
(
じんじやう
)
の勝負では勝を取ることが難かつた。そこで
便宜
(
べんぎ
)
を
伺
(
うかゞ
)
ひ巧計を以て事を
済
(
な
)
さうと考へた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「金の代りに生きているようなものだね。よし/\、
済
(
な
)
しくずしに天命を
完
(
まっと
)
うする算段をするさ。いよ/\
真実
(
ほんとう
)
にやめるかな」
一年の計
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いや、そればかりじゃない、僕はこの十年というもの、まるで
牡牛
(
おうし
)
みたいに汗水たらして、その借金をきれいに
済
(
な
)
したんだ。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
飯炊
(
めした
)
きのお三の父親は、
根津
(
ねづ
)
の大工で、重三郎に借りた金のことから、二年前大川へ身を投げて死に、お三はその借金を
済
(
な
)
し崩しに払うために
銭形平次捕物控:130 仏敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
済
(
な
)
せる時に済せばいいじゃないの、戦に勝つ見込みさえつけば、ちっとは高利の金を借りたって直ぐに埋まるでしょう。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
この月より国許の老母へは月々仕送をすれば母親も
悦
(
よろこ
)
び、叔父へは月賦で借金
済
(
な
)
しをすれば叔母も機嫌を直す。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一国文化の指導者たるべき識者にしてなお且つ憲政に対する不正確なる理解に甘んずとせば、いかに一般国民の思想を鞭撻しても憲政有終の美を
済
(
な
)
すことは出来ぬ。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
現代詩壇に於ける自由詩は、その始め、実に新体詩から解体して、次第に
済
(
な
)
し
崩
(
くず
)
しになったのである。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
己
(
おれ
)
は此不平に甘んじて
旁看
(
ばうかん
)
してはをられぬ。己は諸役人や富豪が大阪のために
謀
(
はか
)
つてくれようとも信ぜぬ。己はとう/\
誅伐
(
ちゆうばつ
)
と
脅迫
(
けふはく
)
とによつて事を
済
(
な
)
さうと思ひ立つた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
謙
(
けん
)
は
亨
(
とほ
)
る。君子終り有り
吉
(
きつ
)
。○
彖伝
(
たんでん
)
に曰く、天道は
下
(
くだ
)
り
済
(
な
)
して光明。地道は
卑
(
いやし
)
くして上行す。
地山謙
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
一生自分の借金
済
(
な
)
し の奉公をしなくてはならん、その金を貸してくれた人に対して……。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
それにもかかわらず十年後の惣次郎は借金を綺麗に
済
(
な
)
したうえ、漉屋は二間に三間の手広いものに建てかえた。続いて家の増築もしたばかりか、いつか二反歩の畑さえ手に入れた。
和紙
(新字新仮名)
/
東野辺薫
(著)
「む、そんなに謂ってくんなさりゃ
己
(
おれ
)
も男だ借りやしょう。」と肩を
聳
(
そびや
)
かし、
眼
(
まなこ
)
を据え、「この
様
(
ざま
)
だから
済
(
な
)
せやせん、そのかわりにゃ姉御、
俺
(
おら
)
あ死にます。」
這般
(
しゃはん
)
の決心十を併さば
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕知る所葉山左内なる者、食禄五百石、
班
(
はん
)
中老に列す、その
齢
(
よわい
)
また
已
(
すで
)
に六十余、官暇あれば出でて大洋に漁す、常に曰く、「海島の士かくの如くならずんば、事に臨んで用を
済
(
な
)
さず」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
つづいて、「
克
(
よ
)
く忠に克く孝に、億兆心を一にして、世々、
厥
(
そ
)
の美を
済
(
な
)
せるは」
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
僕も
彼
(
あれ
)
が芸者で居る時分二三度買った事も有るが、おくのさんのように、あゝ遣って留守を守って固くして、亭主の借金
済
(
な
)
しまでして、留守を守って居るようなら宜しいが、中々彼は守らんぜ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兄弟が死に絶えた
後
(
あと
)
、自然健三の生家の跡を
襲
(
つ
)
ぐようになった彼は、父が亡くなるのを待って、家屋敷をすぐ売り払ってしまった。それで元からある借金を
済
(
な
)
して、自分は小さな
宅
(
うち
)
へ
這入
(
はい
)
った。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あなたにはまだ、古い
借金
(
かり
)
も
済
(
な
)
していない。こんな物を貰っては」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
省児と高梨との借金を
済
(
な
)
した。牛肉とすじ子で酒を呑んだ。何もしなかった。ああ、木挽町で文子と会った。懐かしそうにしていた。色々話した。彼女はめがねをかけて勉強している。信春と会った。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
得テ年来ノ宿望漸ク将ニ成ラントスルヲ
欣
(
よろこ
)
ビ奮ツテ自ラ其説文ヲ起コシ其図面ヲ描キ
拮据
(
きっきょ
)
以テ日ニ其業ニ従ヘリ而シテ其書タル精ヲ極メ
微
(
び
)
ヲ
闡
(
ひら
)
キ以テ本邦今日日新学術ノ精華ヲ万国ニ発揚スルニ足ルベキモノト為サント欲スルニ在ルヲ以テ之ヲ
済
(
な
)
ス必ズヤ此ニ幾十載ノ星霜ヲ費ス可ク其間日夜
孳々
(
しし
)
事ニ之レ従ヒ其精神ヲ
抖擻
(
とそう
)
シ其体力ヲ
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
私がかような不幸な目にあう原因を持って居るこそむしろ憎むべきである。私はこの借金
済
(
な
)
しの出来た事を
悦
(
よろこ
)
んで居るのである。だから何も彼らに対して呪法を行う必要もない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「その時は前借りをして、チビ/\
済
(
な
)
し
崩
(
くず
)
しにすれば
宜
(
い
)
いのよ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“済”の解説
済(せい)または倭 済(わ せい、生没年不詳)は、5世紀中頃(古墳時代中期)の倭王倭王済(日本人名大辞典)。「倭王済」とも倭王済(日本人名大辞典)。
興・武の父で、「倭の五王」の1人。第19代允恭天皇に比定する説が有力視される。
(出典:Wikipedia)
済
常用漢字
小6
部首:⽔
11画
“済”を含む語句
相済
聞済
内済
済南
返済
百済
事済
仕済
済度
日済
成済
経済
多士済々
救済
取済
百済寺
不相済
済寧
百済野
御済
...