生身しやうじん)” の例文
老いたる法師 あの物狂ひに出合つてから、もう今日は七日目なぬかめぢや。何でも生身しやうじんの阿弥陀仏に、御眼にかかるなぞと云うてゐたが。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
えい、それまたかはつたもんだね。ふね一所いつしよけたものは、きたひとうて、わし安堵あんどをしたでがすが、木彫きぼりだ、とけばなほ魂消たまげる……えれ見事みごとな、宛然まるで生身しやうじんのやうだつけの。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)