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剖
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さ
ふりがな文庫
“
剖
(
さ
)” の例文
剖
(
さ
)
いて見ると
好
(
よ
)
き麦粒が満ちいる。長者大悦して倉に
納
(
い
)
れると
溢
(
あふ
)
れ出す。因って親族始め誰彼に分って合国一切恩沢を蒙った。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
更に薏苡と題する詩の中には、「草木各〻
宜
(
よろし
)
きあり、珍産南荒に
駢
(
なら
)
ぶ。絳嚢茘枝を
懸
(
か
)
け、雪粉桄榔を
剖
(
さ
)
く」といふ句がある。
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
自分を
剖
(
さ
)
き分けて、近くへ寄ってみれば、焼石、焼灰の醜い心と身体、それは自分ながら吐き捨ててしまい度いようである。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
宮は
如何
(
いか
)
に悲しからん! この両度の消息は、その苦き胸を
剖
(
さ
)
き、その切なる誠を吐きて、世をも身をも忘れし自白なるを。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
わしはわしの血を一滴づつ
取引
(
とりひき
)
するよりも、わしの腕の血管を自ら
剖
(
さ
)
いて、彼女にかう云つてやりたかつた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
▼ もっと見る
厨房
(
だいどころ
)
に
居
(
ゐ
)
るもので
嚏
(
くさめ
)
をしないのは
只
(
たゞ
)
料理人
(
クツク
)
と、それから
竈
(
へツつひ
)
の
上
(
うへ
)
に
坐
(
すわ
)
つて、
耳
(
みゝ
)
から
耳
(
みゝ
)
まで
剖
(
さ
)
けた
大
(
おほ
)
きな
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
いて、
齒
(
は
)
を
露出
(
むきだ
)
して
居
(
ゐ
)
た一
疋
(
ぴき
)
の
大猫
(
おほねこ
)
ばかりでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
人夫らは怖ろしくなって、ますますその火を強く
焚
(
た
)
いたので、やがて泥鼈は死んでしまった。試みにその腹を
剖
(
さ
)
いてみると、ひとりの小さい人の形があらわれた。
中国怪奇小説集:15 池北偶談(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ひとりの学生はなお
剖
(
さ
)
いて見る気か、しきりに
刀
(
とう
)
を
研
(
と
)
いでる。死体は二つであった。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
誰やら切腹すると、
瞋恚
(
しんい
)
の焔とでも云うのか、
剖
(
さ
)
いた腹から一団のとろ/\した
紅
(
あか
)
い火の球が墨黒の空に長い/\尾を曳いて飛んで、ある所に往って鶏の
嘴
(
くちばし
)
をした
異形
(
いぎょう
)
の人間に
化
(
な
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
微子
(
びし
)
・
箕子
(
きし
)
・
比干
(
ひかん
)
は共に
殷
(
いん
)
の
紂
(
ちゅう
)
王の無道を諌めた。微子は諌めてきかれず、去って隠棲した。箕子は諌めて獄に投ぜられ、奴隷となった。比干は極諌して死刑に処せられ、胸を
剖
(
さ
)
かれた。
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
忠輝始終を見届け、かの小男不審とてその腹を
剖
(
さ
)
くに一滴もなし。しかるにその両脇下に三寸ばかりの
小瓶
(
こがめ
)
一つずつあり。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
処女マリアの彫像の眼は
駝鳥
(
だちょう
)
の胃の腑を
剖
(
さ
)
いて取ったという自然のダイヤがいれてあった。
バットクラス
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これぞ世にいう「
能
(
のう
)
」である。道士はその半分を
剖
(
さ
)
いて、持ち帰って朝廷に献じた。
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
淡緑色の大きな眼球に蚊の
嘴
(
はし
)
程の
繊
(
ほそ
)
く鋭い而してじいと人を見詰むる
瞳
(
ひとみ
)
を点じた
凄
(
すご
)
い眼、黒く鋭い
口嘴
(
くちばし
)
、Vice の様な其両手、
剖
(
さ
)
いて見れば黒い虫の様に
蠢
(
うごめ
)
く腸を満たしたふくれ腹
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
頭ばかり手をつけずに、全部
分解
(
ぶんかい
)
がすんだあとであった。一つは女で今頭を分解したところで、頭をメチャメチャに切り
剖
(
さ
)
けられては男も女もない。矢野にはまだなにがなにやら
一向
(
いっこう
)
わからぬ。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
二尺
長
(
たけ
)
の鱷が同長の蛇を
嚥
(
の
)
んだところを、著者が殺し腹を
剖
(
さ
)
くと、蛇なお
活
(
い
)
きいたとあるし、十六世紀にベスベキウス
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
裏には
真桑瓜
(
まくわうり
)
が
蔓
(
つる
)
の上に沢山ころがり、
段落
(
だんお
)
ちの畑には土が見えぬ程玉蜀黍が茂り、
大豆
(
だいず
)
は
畝
(
うね
)
から畝に
莢
(
さや
)
をつらねて、
試
(
こころみ
)
に其一個を
剖
(
さ
)
いて見ると、
豆粒
(
つぶ
)
の
肥大
(
ひだい
)
実に眼を驚かすものがある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
バルフォールの『印度事彙』に人あり孕んだ牝虎を十七疋まで銃殺し
剖
(
さ
)
いて見ると必ず腹に四児を持っていた。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『敬斎古今
黈
(
とう
)
』三に、騾は必ずしも驢種馬子でなく、自ら騾の一種があるので、生まるる時必ず母の腹を
剖
(
さ
)
かねばならぬとあるなど、騾の牝が子を産まぬについて、種々虚構した説だ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
故に鼠の腹を
剖
(
さ
)
いて金を
獲
(
う
)
とある。昔インドの王子、朝夕ごとにわれに打たるる女を
妻
(
めと
)
らんというに応ずる者なし。ようやく一人承知した女ありてこれに
嫁
(
とつ
)
ぐ。二、三日して夫新妻を打たんとす。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
女文豪コンスタンス・ラッセル夫人よりも書面で教えられたは、哲学者ジョン・ロック一六九六年(わが元禄九)鮭の胃を
剖
(
さ
)
いて得た海蚣をアイルランドの碩学で英学士会員だったモリノー男に贈り
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
剖
常用漢字
中学
部首:⼑
10画
“剖”を含む語句
解剖
解剖刀
剖葦
剖析
解剖学
生体解剖
解剖室
剖検
剖判
剖之
解剖図
魚剖刀
開剖室
開剖
解剖的
解剖台
葭剖
葦剖
生体解剖要綱
活躰解剖
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