“比干”の読み方と例文
読み方割合
ひかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はそれを心から苦苦にがにがしく不愉快なことに思つた。先生は予譲よじやう比干ひかんの話はおくびにも出さないでのべつ幕なしに元寇と朝鮮征伐の話ばかりする。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
微子びし箕子きし比干ひかんは共にいんちゅう王の無道を諌めた。微子は諌めてきかれず、去って隠棲した。箕子は諌めて獄に投ぜられ、奴隷となった。比干は極諌して死刑に処せられ、胸をかれた。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
百年ばかり以前のこの事件について一人の弟子が孔子にたずねたことがある。泄冶の正諫せいかんして殺されたのは古の名臣比干ひかんの諫死と変る所が無い。仁と称して良いであろうかと。孔子が答えた。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)