)” の例文
新字:
あるときは、隣室りんしつてゐるKの夫人ふじんゆすおこされてましたが、彼女かのぢよにはそれがたんゆめとばかり、すことができなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
紋着もんつきしろえりで盛裝せいさうした、えんなのが、ちやわんとはしを兩手りやうてつて、めるやうにあらはれて、すぐに一切ひときれはさんだのが、そのひとさ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平常つね部屋へやりかゝる文机ふづくゑ湖月抄こげつせうこてふのまき果敢はかなくめてまたおもひそふ一睡いつすゐゆめ夕日ゆふひかたぶくまどすだれかぜにあほれるおとさびし。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宗助そうすけ外套ぐわいたうがずに、うへからこゞんで、すう/\いふ御米およね寐息ねいきをしばらくいてゐた。御米およね容易よういめさうにもえなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なにかミハイル、アウエリヤヌヰチがふたのでるが、すぐみな掻消かききえてしまつた。くてアンドレイ、エヒミチは永刧えいごふめぬねむりにはいた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
原稿げんかうく、もちよくふではこぶので夢中むちうになつた、その夢中むちうましたこゑねこである、あら座蒲團ざぶとんすはつて、すましてゐる。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
つぎあさしなはまだ隙間すきまからうすあかりのしたばかりにめた。まくらもたげてたがあたましんがしく/\といたむやうでいつになくおもかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
年中ねんじゆうゆきとざされてゐた山頂さんちようなつて、ゆきけると、すぐそのしたには可憐かれんくさめるばかりにでます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
わたしめる時分じぶんには、だれわたしふことを本當ほんたうにしてれるものはありませんでした。御覽ごらんとほり、わたしいま、お稻荷いなりさまのやしろ番人ばんにんをしてます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
榮華の夢早やめて、沒落の悲しみまさに來りぬ。盛衰興亡はのがれぬ世の習なれば、平家に於て獨り歎くべきに非ず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そして、私はいきなりうつくしい夢から呼びまされたやうに、現實的げんじつてきなその世界の中に卷き込まれねばならなかつた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「裏の方には、爺やの六兵衞が寢てますが、これは離れて居るし、寢酒がきいて居るから、眼なんかめはしない」
トロリとした鶴見つるみ神奈川かながはぎて平沼ひらぬまめた。わづかの假寢うたゝねではあるが、それでも氣分きぶんがサツパリして多少いくら元氣げんきいたのでこりずまに義母おつかさん
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
不思議ふしぎなこともあるものです。それが今日けふは、なにをおもひだしたのか、めると、めそめそすゝきをしながら、何處どこへかつてしまひました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
月光げつこうてらもときこえてるそのなみひゞきも、おもへばけたかんじのすることだ。かうしたばんに、このうみ舟旅ふなたびをして、ふねなかめてゐるひともあらう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
すご氣味きみのわるいこゑいたら……おゝ、はやまってめた時分じぶんに、其樣そのやうおそろしい、こはいものに取卷とりまかれたら
この單調にして悲しげなる聲を聞きて、我は朝な/\むるが常となりぬ。覺むれば説教の稽古す。
何しろ前の晩には一生懸命になツてつかまへて來たのだから、朝眼がめると直ちに螢籠の中をしらべて見たが、何時いつの朝だツて一匹もゐた事が無い。で、隨分がツかりもした。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その休息時間きゆうそくじかん長短ちようたんあるひ休眠きゆうみんからめたときの活動かつどうぶりにも各火山かくかざんにめい/\の特色とくしよくがあつて、一概いちがいにはいへないが、平均期間へいきんきかんよりもなが休止きゆうししたのち噴火ふんか平均へいきん場合ばあひよりもつよ
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
胸騷むなさわぎ、つとまぼろしはめはてき。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
雉子の鳴くまされて
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
めにけり
秋の日 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
此間このあひだうまれたすゑをとこが、ちゝ時刻じこくたものか、ましてしたため、ぞく書齋しよさいけてにはげたらしい。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おどろいてめたが、たしかにねここゑがする、ゆめかいか、はねきてたらまくらもとにはれい兒猫こねこすはつてゐた、どこからしのんでたのやら。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
さあ其事そのこと御座ござんすとて、ねふめたる懷中ふところまちがくすりくすりと嘩泣むづかるを、おゝと、ゆすぶつて言葉ことばえぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
港口みなとぐちんでえるのをました……あつとおもふとゆめめたが、月明つきあかりにしも薄煙うすけぶりがあるばかり、ふねなかに、たふとかうかをりのこつたと。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
思へば風前ふうぜんともしびに似たる平家の運命かな。一門上下しやうかはなひ、月にきやうじ、明日あすにもめなんず榮華の夢に、萬代よろづよかけて行末祝ふ、武運の程ぞ淺ましや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
が、この出來事できごとわたし眠氣ねむけ瞬間しゆんかんましてしまつた。やみなか見透みすかすと、人家じんか燈灯ともしびはもうえなくなつてゐた。Fまち夢中むちうとほぎてしまつたのだつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
けふはわたしなにはれたのがよくよく、くやしかつたとみえまして、めると、しくしくきながら、またつたんです。屹度きつと酒屋さかやへです。わたしさけにくみます。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
はかなかてゐる時分じぶん、まだロミオがおやらぬうちに、めたらなんとせう? さア
そのゆめはまづめて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
醫者いしやつてね。昨夜ゆうべくすりいたゞいてから寐出ねだして、いまになつてもめませんが差支さしつかへないでせうかつていてれ」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ゆめからめたおもひで、あつぼつたかつたかほでた、ひざいて、判然はつきり向直むきなほつたときかれいままでの想像さうざうあまりなたはけさにまたひとりでわらつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、とこなる一刀スラリと拔きて、青燈の光に差し付くれば、爛々たる氷の刃に水もしたゝらんず無反むそり切先きつさき、鍔をふくんで紫雲の如く立上たちのぼ燒刃やきばにほひ目もむるばかり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
さりとてれにもしたがひがたきを、なにとしてにとせば松野まつのこゝろまよひもめ、竹村たけむらきみ潔白けつぱくをもあかされん、何方いづれにまれくきひと一人ひとりあらば、くまでむねはなやまじを
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其間そのひまに、わし消息しらせで、ロミオがこの計畫けいくわくり、おことめさッしゃるまへに、此方こちることとならう。わし共々とも/″\目覺めさめまでばんをして、其夜そのようちにロミオがおことをばマンチュアへれていなう。
まどろみの夢路ゆめぢめぬ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
二時やつさがりに松葉まつばこぼれて、ゆめめて蜻蛉とんぼはねかゞやとき心太ところてんおきなこゑは、いち名劍めいけんひさぐにて、打水うちみづ胡蝶てふ/\おどろく。行水ぎやうずゐはな夕顏ゆふがほ納涼臺すゞみだい縁臺えんだい月見草つきみさう
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
良久やゝひさしうありておくさま大方おほかたゑいめぬれば、よろづにおのがみだるゝあやしきこゝろれとしかりて、かへれば盃盤狼藉はいばんらうぜきありさま、人々ひと/″\むかひのくるま門前もんぜん綺羅星きらほしとならびて、何某樣たれさまちのこゑにぎはしく
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うと/\したと思ふうちに眼がめた。すると、隣のへやで妙な音がする。
変な音 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
みまはかほを、突然いきなりつばめ蝙蝠かうもりばずに、やなぎのみどりがさらりとはらふと、えだなか掻潛かいくゞるばかり、しかも一段いちだんづいとたかく、めるやうなひろ河原かはらしたに、眞蒼まつさをながれうへ
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日影ひかげうらうらとかすみてあさつゆはなびらにおもく、かぜもがな蝴蝶こてふねむましたきほど、しづかなるあした景色けしき甚之助じんのすけ子供こどもごヽろにもたちて、何時いつよりはやにはにかけりれば、若樣わかさま、とかさずびて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしがあけばんときよひのうたゝねからめてつじると、こゝにつめてゐた當夜たうや御番ごばん
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あま先刻さきほどみなさまのおあそばすが五月蠅うるささに、一人ひとりにはへとげまして、お稻荷いなりさまのおやしろところひをましてりましたに、わたしへんへんな、をかしいことおもひよりまして、わらつてくださりますな
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
が、大方おほかたねむりからめたものが、覺束おぼつかなさに宿しゆくねんれたものとおもつたらう。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
莊子さうしてふゆめといふ義理ぎりまこと邪魔じやまくさしぎはまではとひきしむる利慾りよくこゝろはかりには黄金こがねといふおもりつきてたからなき子寶こだからのうへもわするゝ小利せうり大損だいそんいまにはじめぬ覆車ふくしやのそしりも梶棒かぢぼうにはこゝろもつかずにぎつてはなさぬ熊鷹主義くまたかしゆぎ理窟りくつはいつも筋違すぢちがひなる内神田うちかんだ連雀町れんじやくちやうとかや
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
掻拂かきはらをぐる/\きに、二捲ふたまきいてぎり/\と咽喉のどめる、しめらるゝくるしさに、うむ、とうめいて、あしそらざまに仰反そりかへる、と、膏汗あぶらあせ身體からだしぼつて、さつかぜめた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぐつすりと寢込ねこんでた、仙臺せんだい小淵こぶちみなとで——しもつきひとめた、とし十九の孫一まごいちに——おもひもけない、とも神龕かみだなまへに、こほつた龍宮りうぐう几帳きちやうおもふ、白氣はくき一筋ひとすぢつきいて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
掻拂かつぱらを、ぐる/\きに、二捲ふたまきいてぎり/\と咽喉のどめる、しめらるゝくるしさに、うむ、とうめいて、あしそらざまに仰反のけぞる、と、膏汗あぶらあせ身體みうちしぼつて、さつかぜめた。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しか刈萱かるかやみのいつしかにつゆしげく、芭蕉ばせをそゝ夜半よはあめ、やがてれてくもしろく、芙蓉ふようひるこほろぎときるとしもあらずやなぎなゝめすだれおどろかせば、夏痩なつやせにうつくしきが、轉寢うたゝねゆめよりめて
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)