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眠氣
一
枚……二
枚、と
兩方で、ペエジを
遣つ、
取つして、
眠氣ざましに
聲を
出して
讀んで
居たが、
恁う
夜が
更けて、
可恐しく
陰氣に
閉されると、
低い
聲さへ
が、この
出來事は
私の
眠氣を
瞬間に
覺ましてしまつた。
闇の
中を
見透すと、
人家の
燈灯はもう
見えなくなつてゐた。F
町は
夢中で
通り
過ぎてしまつたのだつた。
借て
着替濡し
着類は
竿に掛け再び
圍爐裡の
端へ來りて
煖れば二日二夜の
苦しみに
心身共に
勞れし上今十分に
食事を成して火に
煖まりし事なれば
自然と
眠氣を