“爲(さ)” の例文
新字:為
ミハイル、アウエリヤヌヰチも猶且(やはり)、初中終(しよつちゆう)、アンドレイ、エヒミチを訪問(たづ)ねて來(き)て、氣晴(きばらし)を爲(さ)せることが自分(じぶん)の義務(ぎむ)と心得(こゝろえ)てゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
謠へば面白いのだが、お秋さんには迚(と)てもそんなことを爲(さ)せて見ようつて出來ないから駄目だ。それどころではない。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
手紙(てがみ)をお書(か)き今(いま)に三河(かわ)やの御用聞(ごようき)きが來(く)るだろうから彼(あ)の子僧(こぞう)に使(つか)ひやさんを爲(さ)せるが宜(い)い、何(なん)の人(ひと)お孃樣(ぢようさま)ではあるまいし御遠慮計(ごゑんりよばかり)申(まをし)てなる物(もの)かな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
駕籠(かご)より出し手早く後(うしろ)へ隱(かく)して楯(たて)になり嗚呼(あゝ)殘念(ざんねん)なるかな斯る惡人とも知らず己れ等如きに欺(あざむ)かれ此所まで來しこと口惜(くやし)けれとは云ふものゝ刀(かたな)の手前(てまへ)假令(たとへ)命(いのち)は捨(すて)るとも汝(おのれ)がまゝに爲(さ)すべきや覺悟を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『少(すこ)しも乘客(じようきやく)を煩(わづら)はさんやうに務(つと)めてゐる俺(おれ)か、其(そ)れとも這麼(こんな)に一人(ひとり)で大騷(おほさわぎ)をしてゐた、誰(たれ)にも休息(きうそく)も爲(さ)せぬ此(こ)の利己主義男(りこしゆぎをとこ)か?』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そのほかには何とも爲(さ)れぬでは御座りませぬか、と思ひきりのよきに與之助とゞめもならず、さらば同じき奉公といへども、立派にうつくしき奧づとめの
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
で、貴方(あなた)が其爲(そのため)に拘引(こういん)されて、裁判(さいばん)に渡(わた)され、監獄(かんごく)に入(い)れられ、或(あるひ)は懲役(ちようえき)に爲(さ)れるとして見(み)て、其(そ)れが奈何(どう)です、此(こ)の六號室(がうしつ)にゐるのよりも惡(わる)いでせうか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私(わたし)は何(ど)んな愁(つ)らき事(こと)ありとも必(かな)らず辛抱(しんぼう)しとげて一人前(にんまへ)の男(をとこ)になり、父(とゝ)さんをもお前(まへ)をも今(いま)に樂(らく)をばお爲(さ)せ申(まをし)ます、何(ど)うぞ夫(そ)れまで何(なん)なりと堅氣(かたぎ)の事(こと)をして一人(ひとり)で世渡(よわた)りをして居(ゐ)て下(くだ)され
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今(いま)の世(よ)の女子教育(ぢよしきよういく)を賛成(さんせい)といひがたき心(こヽろ)よりお園(その)にも學校(がくかう)がよひ爲(さ)せたくなく、廻(まわ)り路(みち)でもなき歸宅(かへり)がけの一時間(じかん)を此家(こヽ)に寄(よ)りては讀書(どくしよ)算術(さんじゆつ)、思(おも)ふやうに教(をし)へて見(み)れば記憶(きおく)もよく分(わか)りも早(はや)く
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かならず伴(とも)なひてお茶(ちや)の間(ま)の御用(ごよう)にても爲(さ)せ給(たま)へ、お分(わか)りに成(な)りしかと頬(ほヽ)ずりして言(い)へば、しだらも無(な)く抱(だ)かれながら口(くち)ばかりは大人(おとな)らしく、それは僕(ぼく)が大將(たいしやう)に成(な)りて、そしてお邸(やしき)が出來(でき)さへすれば
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)