“曩(さ)” の例文
曩(さ)きに奇貨(きか)とし重んじたる彼(か)の敵国の人物を目(もく)して不臣不忠(ふしんふちゅう)と唱(とな)え、これを擯斥(ひんせき)して近づけざるのみか、時としては殺戮(さつりく)することさえ少(すく)なからず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これに代って曩(さ)きに支那から我邦に渡来した『植物学』の書(多分我が万延、文久、元治年間に渡ったものであろう)
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
吾人(ごじん)が曩(さ)きに描き来りし彼の父母伯叔の風を見るものは、必らず彼の自(みず)から語る所の誣(し)いざるを知らん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この点に就(つい)ては我輩(わがはい)も氏の事業を軽々(けいけい)看過(かんか)するものにあらざれども、独(ひと)り怪(あや)しむべきは、氏が維新の朝(ちょう)に曩(さ)きの敵国の士人と並立(ならびたっ)て得々(とくとく)名利(みょうり)の地位に居(お)るの一事なり
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)