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扨
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さ
ふりがな文庫
“
扨
(
さ
)” の例文
アツシリヤでも早くから犬を珍重して今の「マスチツフ」だの「グレイハウンド」だのといふ奴が
在
(
い
)
たさうだが、
爾
(
そ
)
んな事は
扨
(
さ
)
ておき
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
ちょうど生きた
人魂
(
ひとだま
)
だね。
扨
(
さ
)
て門を這入ってみると
北風
(
ほくふう
)
枯梢
(
こしょう
)
を
悲断
(
ひだん
)
して
寒庭
(
かんてい
)
に
抛
(
なげう
)
ち、柱傾き瓦落ちて
流熒
(
りゅうけい
)
を
傷
(
いた
)
むという、散々な有様だ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
扨
(
さ
)
て、
芬
(
ぷん
)
と
薫
(
かを
)
りの
高
(
たか
)
い
抽斗
(
ひきだし
)
から、
高尾
(
たかを
)
、
薄雲
(
うすぐも
)
と
云
(
い
)
ふ
一粒選
(
ひとつぶえり
)
の
處
(
ところ
)
を
出
(
だ
)
して、ずらりと
並
(
なら
)
べて
見
(
み
)
せると、
件
(
くだん
)
の
少年
(
せうねん
)
鷹揚
(
おうやう
)
に
視
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
貴様は福澤の主人になったと知らせて
呉
(
く
)
れる
位
(
くらい
)
の事だ。
扨
(
さ
)
てその跡を
襲
(
つい
)
だ以上は、実は兄でも親だから、五十日の
忌服
(
きふく
)
を勤めねばならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
どうしよう——と、思ったが、
扨
(
さ
)
てどうもすることが出来ない。言葉の解らない支那人を眺めて、つくづく
悄気切
(
しょげき
)
ったものだ。
苦力頭の表情
(新字新仮名)
/
里村欣三
(著)
▼ もっと見る
余人は
扨
(
さ
)
て
措
(
お
)
き、一国の特殊な文運にこれほど顕著な貢献をしたわが小山内薫氏に対し、国家として十分の表彰手段を講じて欲しいものです。
偉大なる近代劇場人
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
『
扨
(
さ
)
て私の折入つてのお願は、私に極めて少額でもいゝから或資金を貸して戴きたい。私は其金で商賣をやらうと思ひます』
続俳諧師:――文太郎の死――
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
藤野屋のお嬢様はこれから十五日まで樽屋久八の
家
(
うち
)
で
御飯炊
(
ごぜんたき
)
の稽古を致して居ましたが、
扨
(
さ
)
て十二月十五日となりますと、女親は妙なもので
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(尤も拙者は、断乎として、断々乎として、ファルスは難解であるとは信じません!)それはそれとしておいて、
扨
(
さ
)
て——
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
扨
(
さ
)
て
其他
(
そのた
)
には、
彼
(
か
)
の
第
(
だい
)
一の
穴
(
あな
)
にもある
如
(
ごと
)
く、
周圍
(
しうゐ
)
と
中央
(
ちうわう
)
とに、
幅
(
はゞ
)
四五
寸
(
すん
)
の
溝
(
みぞ
)
が
穿
(
うが
)
つてあるが、
彼
(
か
)
の
如
(
ごど
)
く
床壇
(
ゆかだん
)
は
設
(
もう
)
けて
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
扨
(
さ
)
てそうきまると早いがいい、明日はサルツブルヒに御別れとして、夜は雨の音を聞きながら、地図と旅程に十二時過ぎまでつぶしてしまった。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
扨
(
さ
)
テ前日、府中ニ触レアッテ
此度
(
このたび
)
双方勝負ノ
贔屓
(
ひいき
)
ヲ禁止セリ。
興長主
(
おきながのかみ
)
武蔵ニ
謂
(
いっ
)
テ
曰
(
いわ
)
ク、明朝辰ノ上刻向島ニ於テ、岩流小次郎ト仕合致スベキ由ヲ
諭
(
さと
)
ス。
巌流島
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
余談は
扨
(
さ
)
て
措
(
お
)
き、かうして私は平岡夫人と、不安な足どりのまゝ、
誘
(
いざな
)
ふやうな音楽に連れて、曲りなりにも歩き出した。よた/\と、ひよこり/\と。
私の社交ダンス
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
扨
(
さ
)
て進んで行くうちに社中でまた問題が起ったらしい、原稿料が高いとか安いとかいうこともあったろうし、また
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と
咳払
(
せきばら
)
いをなされた木戸博士は、
乾枯
(
ひか
)
らびた色艶のわるい
指頭
(
ゆびさき
)
を Fig. 1 に近づけられて
扨
(
さ
)
て
仰有
(
おっしゃ
)
った。
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ヱヽと驚く十兵衞がヤアお前は兄の長庵殿何故あつて此の
私
(
わし
)
を
切殺
(
きりころ
)
すとはサヽ
扨
(
さ
)
ては娘を賣つた此の金が
初手
(
しよて
)
から
欲
(
ほし
)
さに
深切
(
しんせつ
)
を
表
(
おもて
)
に
飾
(
かざ
)
つて我を欺むき八ツを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
翌
(
あく
)
る十七日の夕方左柳高次が早馬で馳せ付け私の前へ平伏して、姉さん、と云つたきり
太息
(
といき
)
をついて居りますから、
扨
(
さ
)
ては愈々と覚悟して、こみ上げる涙をじつと抑へ
千里駒後日譚
(新字旧仮名)
/
川田瑞穂
、
楢崎竜
、
川田雪山
(著)
扨
(
さ
)
てそれなら何時でも東京から此等の山が見えるかというと、そううまくは問屋で卸しません。
望岳都東京
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
篠田は
起
(
た
)
つて聖書を読み、
祈祷
(
きたう
)
を捧げ、
扨
(
さ
)
て
今宵
(
こよひ
)
の珍客なる少年少女に
向
(
むかつ
)
て勧話の口を開けり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
(顏をしかめる)
扨
(
さ
)
て/\不養生なお人だ。兎もかくもお見舞申さう。(内に入る)
近松半二の死
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
扨
(
さ
)
て友達仲間は遊びが濟んで起き上ると、一處に集まつてタバコを喫ひはじめた。
めたん子伝
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
青色
(
せいしょく
)
だの
紅色
(
こうしょく
)
だの又は紫
抔
(
など
)
を愛するものは之に中し、
緋
(
ひ
)
や赤を好む者は子供か又は劣等なる地位に居るものと言うて良い、
扨
(
さ
)
て是から猫は如何なる染色を好むかに就て述べるのであるが
猫と色の嗜好
(新字新仮名)
/
石田孫太郎
(著)
扨
(
さ
)
ておぢいさんはそのまゝ田舎に
戻
(
もど
)
つて、次の年今度は
祇園祭
(
ぎをんまつり
)
を見物に又京都へ出てまゐりました。おぢいさんはあひ変らずその拾つた冠をかぶり、
後手
(
うしろで
)
をしてあつちこつちを見物してあるきました。
拾うた冠
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
殿
(
との
)
、
御覽
(
ごらう
)
じ、
早速
(
さつそく
)
の
伺候
(
しこう
)
過分々々
(
くわぶん/\
)
と
御召
(
おめ
)
しの
御用
(
ごよう
)
が
御用
(
ごよう
)
だけ、
一寸
(
ちよつと
)
お
世辭
(
せじ
)
を
下
(
くだ
)
し
置
(
お
)
かれ、
扨
(
さ
)
てしか/″\の
仔細
(
しさい
)
なり。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二、三軒の小屋と停車場がある、鉄道の終点でウンテル・クリンムル、
扨
(
さ
)
て例のビール樽はそこの駅長さんであった。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
扨
(
さ
)
て、私は
曩
(
さき
)
に、恰も私は、終日終夜堅く外出もしないやうに述べたのであるが、然し私は、一定の時間には必ず一度、外出しなければならなかつた。
蝉:――あるミザントロープの話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
小説家の文学者先生、荒尾角也
此
(
この
)
咄を聞くと大喜びで、何が
扨
(
さ
)
て文学大好きの嬢様なれば文壇にたづさはる自分は必定御覚え目出たかるべしと早合点した。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
扨
(
さ
)
て、その当学部第一回の卒業式が、正木先生の御欠席のままで終了致しますと、その翌日になって盛山学部長の手許に、正木先生からの書信が参りましたが
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
扨
(
さ
)
て伊之助でございますが、お若さんが連れて逃げてくれろと申しましたを、義理だてをして
捗々
(
はか/″\
)
しく相談に乗らないところから、男を
諾
(
うん
)
といわする奥の手をだし
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
地中
(
ちちう
)
に
犬小屋式
(
いぬごやしき
)
の
横穴
(
よこあな
)
が
穿
(
うが
)
つてあつて、
其
(
その
)
犬小屋
(
いぬごや
)
の
如
(
ごど
)
き
岩窟
(
がんくつ
)
の
入口
(
いりくち
)
までは、一
丈
(
ぢやう
)
三
尺餘
(
しやくよ
)
の
小墜道
(
せうとんねる
)
を
通
(
とほ
)
るのだ。
扨
(
さ
)
て、
犬小屋
(
いぬごや
)
の
如
(
ごと
)
き
横穴
(
よこあな
)
の
入口
(
いりくち
)
は、
幅
(
はゞ
)
三
尺
(
じやく
)
六
寸
(
すん
)
、
高
(
たか
)
さが三
尺
(
じやく
)
八
寸
(
すん
)
ある。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
先生の大恩、緒方の食客となる船中無事大阪に
着
(
つい
)
たのは
宜
(
よろ
)
しいが、
唯
(
ただ
)
生きて
身体
(
からだ
)
が
着
(
つい
)
た
計
(
ばか
)
りで、
扨
(
さ
)
て修業をすると
云
(
い
)
う手当は何もない。ハテ
如何
(
どう
)
したものかと
思
(
おもっ
)
た所が
仕方
(
しかた
)
がない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
扨
(
さ
)
て今は親しく其京都の土を踏んで七條の停車場からガラ/\と車にゆられて、三藏等より一年先に卒業して既に高等學校に在學してゐる先輩の上長者町の下宿に著く。加藤も平田もをばさんも著く。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
怒ると雖
詮方
(
せんかた
)
なく頼み切たる
利兵衞
(
りへゑ
)
斯
(
かく
)
の如き
心底
(
しんてい
)
なれば
當惑
(
たうわく
)
致
(
いた
)
したれども
斯
(
かく
)
繁昌
(
はんじやう
)
の御當地に付如何樣にも
口過
(
くちすぎ
)
は
相成
(
あひなり
)
申べくと
存
(
ぞん
)
じ
其後
(
そのご
)
は一
度
(
ど
)
も
相尋
(
あひたづ
)
ね申さず
扨
(
さ
)
て
彼
(
か
)
の
櫛簪
(
くしかんざし
)
の
儀
(
ぎ
)
は利兵衞娘菊より
内々
(
ない/\
)
貰
(
もら
)
ひ
母
(
はゝ
)
の病氣にて
貯
(
たくは
)
へ
盡
(
つき
)
候故
與兵衞
(
よへゑ
)
に賣て母の病氣
救
(
すく
)
ひ候なり
決
(
けつ
)
して
盜
(
ぬすみ
)
しには候はず
何卒
(
なにとぞ
)
此段
(
このだん
)
御賢察下
(
ごけんさつくだ
)
され御免を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
扨
(
さ
)
て、この不可解な煉瓦塀であるが、これは結局何物であるかといふに、これはつまり何物でもないらしい。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
扨
(
さ
)
て、遺憾ながら、此の晴の舞台に於て、紫玉のために
記
(
しる
)
すべき
振事
(
ふりごと
)
は更にない。
渠
(
かれ
)
は学校出の女優である。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
先
(
ま
)
ず当今のところでは
誰方
(
どなた
)
でも之には御賛成遊ばすだろうと存じますが、
扨
(
さ
)
てこゝでございます、お客様方も御承知で居らせられる幽霊
博士
(
はかせ
)
……では恐れ入りまするが
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
刻
(
きざみ
)
煙草をもう一
鑵
(
かん
)
買って来て貰うことにして、
扨
(
さ
)
てストーブを囲んで、落ちついてふかし初めた。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
扨
(
さ
)
て
其
(
そ
)
の
土偶
(
どぐう
)
※
何
(
なに
)
しろ
泥土
(
でいど
)
を
落
(
おと
)
して
見
(
み
)
るべしと、
車夫
(
しやふ
)
をして、それを
洗
(
あら
)
ひに
遣
(
や
)
つて
見
(
み
)
ると、
豈
(
あ
)
に
圖
(
はか
)
らんや、それは
獸骨
(
じうこつ
)
の一
部
(
ぶ
)
、
大腿骨
(
だいたいこつ
)
の
關節部
(
くわんせつぶ
)
が
黒焦
(
くろこげ
)
に
燒
(
や
)
けて
居
(
ゐ
)
るのであつたので
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
借用証書があらば百万円遣ろうソコで
或
(
ある
)
時例の金融家のエライ人が私方に来て、何か金の話になって、千種万様、実に目に
染
(
し
)
みるような混雑な事を云うから、
扨
(
さ
)
て/\
如何
(
どう
)
もウルサイ事だ
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その女がまだ死んでいないのを見て、安心以上の安心ともいうべき一種の喜びを感ずると同時に……
扨
(
さ
)
ては……
扨
(
さ
)
ては……と胸の躍るような緊張に全身を引き締められるのを感じたのであった。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
従而、顔の位置が一度も動いたためしがないし、
扨
(
さ
)
て又顔の表情がビクリと動いた気配もない。
盗まれた手紙の話
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
扨
(
さ
)
てお話は二つになりまして、川崎の本藤にては山三郎半治小かね馬作の四人が一つの座敷で
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いやにお
茶
(
ちゃ
)
がつてるよ、生意気な。」と、軽く其の
頭
(
つむり
)
を
掌
(
てのひら
)
で
叩
(
たた
)
き
放
(
ぱな
)
しに、
衝
(
つ
)
と
広前
(
ひろまえ
)
を切れて、坂に出て、見返りもしないで、
扨
(
さ
)
てやがて此の茶屋に
憩
(
いこ
)
つたのであつた。——
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
この
)
一
日
(
にち
)
の
運動
(
うんどう
)
は、
骨
(
ほね
)
の
髓
(
ずい
)
まで
疲勞
(
ひろう
)
する
樣
(
やう
)
に
感
(
かん
)
じるのであるが、
扨
(
さ
)
て
其
(
その
)
洗
(
あら
)
ひ
上
(
あ
)
げたる
破片
(
はへん
)
を
食卓
(
しよくたく
)
の一
隅
(
ぐう
)
に
並
(
なら
)
べて、
然
(
さ
)
うして、一
杯
(
ぱい
)
やる
時
(
とき
)
の
心持
(
こゝろもち
)
といふものは、
何
(
な
)
んとも
云
(
い
)
はれぬ
愉快
(
ゆくわい
)
である。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
この年になつても何か無性な苛立たしさで、ひと思ひに……けれどもひと思ひに
扨
(
さ
)
てどういふことをすればいいのか分からないが、さういふ思ひは然しなほ在るのであつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
扨
(
さ
)
てお話は
二岐
(
ふたみち
)
に分れ、白金台町に間口は
彼
(
か
)
れ
是
(
こ
)
れ二十
間
(
けん
)
許
(
ばか
)
りで、
生垣
(
いけがき
)
に成って居ります、門もちょっと屋根のある
雅致
(
がち
)
な
拵
(
こしら
)
えで、
後
(
うしろ
)
の方へまわると格子造りで、
此方
(
こちら
)
は勝手口で
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
挨拶
(
あいさつ
)
とともに
番頭
(
ばんとう
)
がズイと
掌
(
てのひら
)
で
押出
(
おしだ
)
して、
扨
(
さ
)
て
默
(
だま
)
つて
顏色
(
かほいろ
)
を
窺
(
うかゞ
)
つた、
盆
(
ぼん
)
の
上
(
うへ
)
には、
湯札
(
ゆふだ
)
と、
手拭
(
てぬぐひ
)
が
乘
(
の
)
つて、
上
(
うへ
)
に
請求書
(
せいきうしよ
)
、むかし「かの」と
云
(
い
)
つたと
聞
(
き
)
くが
如
(
ごと
)
き
形式
(
けいしき
)
のものが
飜然
(
ひらり
)
とある。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度
(
こんど
)
發見
(
はつけん
)
された
駒岡附近
(
こまをかふきん
)
にも、
既
(
すで
)
に
已
(
すで
)
に
澤山
(
たくさん
)
横穴
(
よこあな
)
が
開發
(
かいはつ
)
されてあるのだが、
扨
(
さ
)
て、
果報
(
くわはう
)
なのは
今回
(
こんくわい
)
のお
穴樣
(
あなさま
)
で、
意外
(
いぐわい
)
の
人氣
(
にんき
)
を
一個
(
ひとり
)
で
背負
(
せお
)
つて、
眞
(
まこと
)
に
希代
(
きたい
)
の
好運兒
(
かううんじ
)
、
否
(
いな
)
、
好運穴
(
かううんけつ
)
といふべきである。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
扨
(
さ
)
て一人の男が浜で死んだ。ところで同じ時刻には一人の男が街角を曲つてゐた」——
小さな部屋
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
扨
(
さ
)
て世捨人になったお若さんでげすが、伯父の晋齋に頼みまして
西念寺
(
さいねんじ
)
の
傍
(
わき
)
に庵室とでも申すような、膝を
容
(
い
)
れるばかりな
小家
(
こいえ
)
を借り、
此処
(
こゝ
)
へ独りで住んで行いすまして居りまする。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
扨
漢検1級
部首:⼿
6画
“扨”を含む語句
扨置
扨々
扨〻
扨又
扨居
扨措
扨而
扨肥後