)” の例文
よしくちしてはなからうともおまへおもことがあるくらゐめくら按摩あんまぐらせてもれたことかずともれてるが、れをばくのだ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼は四郎の屍体の口腔こうくうを開かせ、その中に手をグッとさし入れると咽喉の方までぐってみたのが、果然かぜん手懸てがかりがあって、耳飾の宝石が出てきた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
首筋に喰い入るようにめり込んでいる細い鎖をぐって環を外した、と、思ったら、するするとネックレースをポケットの中にべり込ませてしまった。
梟の眼 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
春の長閑のどかな日で、垣根の内には梅が咲いていた。私は、その日も学校から帰ると貸間をがしに出かけた。
貸間を探がしたとき (新字新仮名) / 小川未明(著)
余は妻とこの住家すみかがして、東京から歩いて千歳村に来た。而して丁度其日の夕方に、つかれた足をきずって、正に此路を通って甲州街道に出たのであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あの渺々びょうびょうたる、あの漫々まんまんたる、大海たいかいを日となく夜となく続けざまに石炭をいてがしてあるいても古往今来こんらい一匹も魚が上がっておらんところをもって推論すれば
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると或る晩に、その墓は五輪の塔で、こういう木の下にうずまっていると夢に見たので、その翌日檀那寺だんなでらへ行って、夢に見た通りがすとはたして見付めっかった。これも友人が最近に見た正夢まさゆめである。
取り交ぜて (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
(青幇のやった所業なら、どうがそうと解るものではない)
がさせますがこの時世ではなかなか……
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
かばんあけ物がす人冬木中
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
そこには、幅一尺ほどの、長方形の、真暗なあなぐらがポッカリ明いた。そこでわしは、両手を差入れて、天井裏をぐったが、思うものは、直ぐ手先に触れた。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おもへども、れぬ不審ふしんうたがひのくもりて、たゞ一トさほ箪笥たんす引出ひきだしより、柳行李やなぎこりそこはかと調しらべて、もし其跡そのあとゆるかとぐるに、ちり一はしの置塲おきばかわらず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何をがしているのだろう、もしや東京のものでなくて様子が分らんのなら教えてりたいと思ってなお目を放さずに打ち守っていると、どこをどうくぐり抜けたものやら
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
到頭近所の人を頼み、わざ/\汽車で八王子まで連れて往って捨てゝもろうた。二週間前の事である。其後デカが夜毎に帰っては来たが、ひるは其牝犬をがしあるいて居るらしかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「帆村君は、もう一つ、大きな秘密を、ぐり出したのです」中佐は、夢からめたように、語をついだ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いつでもして上げる」と云うとそばに聞いていた同僚が、君は白山の美人をがしたり、記憶のいい爺さんを探したり、随分多忙だねと笑った。こっちはそれどころではない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其中そのなかけて苦勞性くろうせうのあるおひとしのびやかにあとをやつけたまひし、ぐりにぐればさて燈臺とうだいのもとらさよ、本郷ほんごう森川町もりかはちようとかや神社じんじやのうしろ新坂通しんざかどほりに幾搆いくかまへの生垣いけがきゆひまわせしなか
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「いくら天気がよくっても、散歩なんかするひまはない。今日は新橋の先まで遺失品をがしに行ってその帰りがけにちょっとついでだから、ここで休んで行こうと思って来たのさ」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うで思案しあんにもあたはず、しほれかへる甚之助じんのすけ人目ひとめ遠慮ゑんりよなきをうらやみて、こヽろそらになれどつち箒木はヽき面倒めんだうさ、此身このみりしもゆゑかは、つれなき令孃ひめ振舞ふるまひ其理由そのわけぐれず
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あたしは特に選ばれて、すこし臭いハルピン虎をぐる係となり、黄風島へ出かけて尼僧に化けているところを貴方にお目にかかり、それからあの鍵をみて、それでこの大成功をおさめたのよ。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「また新橋の先までがしに行って、拳突けんつくを喰ったんじゃないか。つまらない」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
の、枕直まくらなほしの、宮參みやまいりの、たゞあわたゞしうてぎぬ、かみきつけて産土神うぶすなまへ神鬮みくじやうにしてけば、常盤ときはのまつ、たけ、蓬莱ほうらいの、つる、かめ、ぐりもてずして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
といって、一郎は暗然あんぜんと涙をんだ。そして懐中をぐると一と揃いの覆面を出して、ソッとジュリアの枕辺に置いた。——これを見た大江山は始めて気がついたらしく、ハッと一郎の顔をにらんだ。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし普通の小説家のようにその勝手な真似の根本をぐって、心理作用に立ち入ったり、人事葛藤じんじかっとう詮議立せんぎだてをしては俗になる。動いても構わない。画中の人間が動くと見ればつかえない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
押入おしいぐつてなにやらの小風呂敷こぶろしき取出とりいだし、これは此子このこ寐間着ねまきあはせ、はらがけと三じやくだけもらつてゆきまする、御酒ごしゆうへといふでもなければ、めての思案しあんもありますまいけれど、よくかんがへてくだされ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ふうん、すると大西洋の海底をぐるんだな」
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
この好題目が眼前がんぜんにありながら、余はらざる詮義立せんぎだてをして、余計なぐりを投げ込んでいる。せっかくの雅境に理窟りくつの筋が立って、願ってもない風流を、気味のるさが踏みつけにしてしまった。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それで、がしに行っても出てないのかい」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)