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嘸
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さ
ふりがな文庫
“
嘸
(
さ
)” の例文
嫁入盛りだの……はいお目出度う……
就
(
つい
)
てはソノ火急な事であって
嘸
(
さ
)
ぞ困ったろうが、
昨日
(
きのう
)
番頭が國綱のお刀を持って帰られたろうな
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夫
(
そ
)
れを無理につかまへて、ねだつては話してもらひましたが、
嘸
(
さ
)
ぞ
煩
(
うる
)
さかつたらうと思つて、今考へると気の毒です。
いろ扱ひ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お出しにならないからなおいけないんで、奥様も
嘸
(
さ
)
ぞお気をくさらしていらっしゃることでございましょう
機密の魅惑
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
いろ/\の事といつても殆ど東京のことのみで、
嘸
(
さ
)
ぞ東京は、といつた風にまだ見ぬ數百里外のこの大都會の榮華に憧れて居る情を烈しく私に訴ふるに過ぎないのだ。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
薬園阪
(
やくゑんざか
)
下り行く
空腕車
(
からくるま
)
の音あはれに聞こゆ「ウム、
車夫
(
くるまや
)
も
嘸
(
さ
)
ぞ寒むからう、僕は
家
(
うち
)
に居るのだけれど」大和は机の上に両手を組みつ、
頭
(
かしら
)
を
俯
(
ふ
)
して又た更に思案に沈む
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
「むむ。
阿母
(
おっか
)
さんはまア
何
(
ど
)
うでも
可
(
い
)
いとしても、
冬子
(
ふゆこ
)
さんが
嘸
(
さ
)
ぞ待っているだろう。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
Kの家族たちも
嘸
(
さ
)
ぞ困ってるだろうからこれを届けてくれ、と言って会へ送ってよこしたお金です、どんなに遠く離れていても親類の様に皆さんを案じている人たちの心からの贈物です——
鋳物工場
(新字新仮名)
/
戸田豊子
(著)
「
爺様
(
とつさん
)
、
嘸
(
さ
)
ぞ無念だつたべい。この
仇
(
かたき
)
ア、
己
(
おら
)
ア、
屹度
(
きつと
)
取つて遣るだアから」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
父が病気に掛ってから、度々送金を迫られても、
不覚
(
つい
)
怠
(
おこた
)
っていたのだから、
家
(
うち
)
の都合も
嘸
(
さ
)
ぞ悪かろう。今度こそは多少の金を持って帰らんでは、
如何
(
いか
)
に親子の間でも、母に対しても
面目
(
めんぼく
)
ない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
藏
(
か
)
くし
孃
(
じよう
)
さまにも
嘸
(
さ
)
ぞお
喜
(
よろこ
)
び
我身
(
わがみ
)
とても
其通
(
そのとほ
)
りなり
御返事
(
おへんじ
)
屹度
(
きつと
)
まちますと
云
(
い
)
えば
點頭
(
うなづき
)
ながら
立出
(
たちいづ
)
る
廻
(
まは
)
り
椽
(
ゑん
)
のきばの
橘
(
たちばな
)
そでに
薫
(
かを
)
りて
何時
(
いつし
)
か
月
(
つき
)
に
中垣
(
なかがき
)
のほとり
吹
(
ふき
)
のぼる
若竹
(
わかたけ
)
の
葉風
(
はかぜ
)
さら/\として
初
(
はつ
)
ほとゝぎす
待
(
まつ
)
べき
夜
(
よ
)
なりとやを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
花「はいお隅さんまア
何
(
な
)
んとも申そう様はありません、とんだことになりました、
嘸
(
さ
)
ぞお力落しでございましょう」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この時直覚的に知りましたが——どんなに心苦しいか……この狭い土地で、
嘸
(
さ
)
ぞ肩身が狭かろう。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
継母
(
はゝうへ
)
、貴女は
嘸
(
さ
)
ぞ御不満足で御座いませう、貴女の
女
(
こ
)
は、世にも恐ろしき流血の重罪を
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
飛んだところで掴まってしまった、と美佐子は心配して、初子を呼びに行こうと思ったが、この場を離れたら百合子が
嘸
(
さ
)
ぞ困るだろうと思い、思案にあまって
茫然
(
ぼんやり
)
していると、吉川が
青い風呂敷包
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「ウム、大變なことになつたんだつてねえ、どうも……
嘸
(
さ
)
ぞ……厭やだらう!」
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
お米 おふくろさんが
嘸
(
さ
)
ぞ待つてゐるんでござんせう。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
心ある人から観たら、
嘸
(
さ
)
ぞ苦々しく思われたろう。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
若「あゝ、だけれど
先方
(
さき
)
で
嘸
(
さ
)
ぞ
恟
(
びっく
)
りするだろうね、まアお前さん
何
(
なん
)
てッて往くつもりなの」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
さ
)
う、
汗
(
あせ
)
におなりなさいました、
嘸
(
さ
)
ぞまあ、お
暑
(
あつ
)
うござんしたでせう、お
待
(
ま
)
ちなさいまし、
旅籠
(
はたご
)
へお
着
(
つ
)
き
遊
(
あそ
)
ばして
湯
(
ゆ
)
にお
入
(
はい
)
りなさいますのが、
旅
(
たび
)
するお
方
(
かた
)
には
何
(
なに
)
より
御馳走
(
ごちそう
)
だと
申
(
まを
)
しますね
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「昨日は失礼いたしました。突然で——
嘸
(
さ
)
ぞ吃驚なすったでしょう?」
梟の眼
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「さうですか、それはどうも
飛
(
と
)
んでもない事でしたね、
嘸
(
さ
)
ぞ……」
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
夜分お帰りも
嘸
(
さ
)
ぞ遅くて
在
(
いら
)
つしやいませうねエ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
あれも
嘸
(
さ
)
ぞ喜びましょうから。
青蛙神
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
裏の方の屋根が少し損じたから其の内に
修繕
(
なお
)
させます、お前さんは能く毎日寒さ橋へお
出
(
で
)
なさる、此の寒いのに名さえ寒さ橋てえんだから
嘸
(
さ
)
ぞお寒かろう、ピュー/\風で、
貴公
(
あなた
)
はお
幾歳
(
いくつ
)
です
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
坊主は、——坊主は——ああ、我ながら、いやな坊主を口で
吐
(
は
)
いて、広間じゅう
撒散
(
まきちら
)
したようで、聞く耳、交す口に、この息も
嘸
(
さ
)
ぞ臭かったに相違ない、とほッとした、我がその息さえ
腥
(
なまぐさ
)
い。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
犯罪の裏面に潜む秘密、それを探ってみたら、
嘸
(
さ
)
ぞ面白い事だろう。
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
近いところが
此楼
(
こゝ
)
にいたあの
綾衣
(
あやぎぬ
)
がいゝお手本だよ、あんな夢中になって
初
(
はつ
)
さんのところへ
行
(
ゆ
)
き、惚れた同士だから
嘸
(
さ
)
ぞ
中好
(
なかよ
)
く毎日暮すだろうと、
楼中
(
うちじゅう
)
の
羨
(
うらや
)
みものだッたは知っているだろう
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……
嘸
(
さ
)
ぞ苦しかったでしょう、乳を透して絽の紅い、其処の水が桃色に
薄
(
うっす
)
りと
搦
(
から
)
んでいる、胸を細く、両手で軽く襟を取って、
披
(
はだ
)
けそうにしていたのが、貴方がその傍にお寄りなさいました煽りに
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「突然のことで——、
嘸
(
さ
)
ぞ
吃驚
(
びっくり
)
なすったでしょうな」
むかでの跫音
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
清「
何
(
ど
)
のようにも是は願わなければ成りません、筆も
嘸
(
さ
)
ぞ悦びましょう」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
雨
(
あめ
)
も
露
(
つゆ
)
も
紫
(
むらさき
)
に、
藍
(
あゐ
)
に、
絞
(
しぼ
)
りに
開
(
ひら
)
く
頃
(
ころ
)
は、
嘸
(
さ
)
ぞと
思
(
おも
)
ふ。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
清涼薬
(
きつけ
)
ですって。……
嘸
(
さ
)
ぞお暑い事で。……)
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
嘸
(
さ
)
ぞようござんしょうねお月夜だったら。)
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ああ、
嘸
(
さ
)
ぞお腹がいいだろう。」
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嘸
漢検1級
部首:⼝
15画