)” の例文
嫁入盛りだの……はいお目出度う……ついてはソノ火急な事であってぞ困ったろうが、昨日きのう番頭が國綱のお刀を持って帰られたろうな
れを無理につかまへて、ねだつては話してもらひましたが、うるさかつたらうと思つて、今考へると気の毒です。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お出しにならないからなおいけないんで、奥様もぞお気をくさらしていらっしゃることでございましょう
機密の魅惑 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
いろ/\の事といつても殆ど東京のことのみで、ぞ東京は、といつた風にまだ見ぬ數百里外のこの大都會の榮華に憧れて居る情を烈しく私に訴ふるに過ぎないのだ。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
薬園阪やくゑんざか下り行く空腕車からくるまの音あはれに聞こゆ「ウム、車夫くるまやぞ寒むからう、僕はうちに居るのだけれど」大和は机の上に両手を組みつ、かしらして又た更に思案に沈む
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「むむ。阿母おっかさんはまアうでもいとしても、冬子ふゆこさんがぞ待っているだろう。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
Kの家族たちもぞ困ってるだろうからこれを届けてくれ、と言って会へ送ってよこしたお金です、どんなに遠く離れていても親類の様に皆さんを案じている人たちの心からの贈物です——
鋳物工場 (新字新仮名) / 戸田豊子(著)
爺様とつさんぞ無念だつたべい。このかたきア、おらア、屹度きつと取つて遣るだアから」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
父が病気に掛ってから、度々送金を迫られても、不覚ついおこたっていたのだから、うちの都合もぞ悪かろう。今度こそは多少の金を持って帰らんでは、如何いかに親子の間でも、母に対しても面目めんぼくない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
くしじようさまにもぞおよろこ我身わがみとても其通そのとほりなり御返事おへんじ屹度きつとまちますとえば點頭うなづきながら立出たちいづまはゑんのきばのたちばなそでにかをりて何時いつしつき中垣なかがきのほとりふきのぼる若竹わかたけ葉風はかぜさら/\としてはつほとゝぎすまつべきなりとやを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
花「はいお隅さんまアんとも申そう様はありません、とんだことになりました、ぞお力落しでございましょう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この時直覚的に知りましたが——どんなに心苦しいか……この狭い土地で、ぞ肩身が狭かろう。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
継母はゝうへ、貴女はぞ御不満足で御座いませう、貴女のは、世にも恐ろしき流血の重罪を
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
飛んだところで掴まってしまった、と美佐子は心配して、初子を呼びに行こうと思ったが、この場を離れたら百合子がぞ困るだろうと思い、思案にあまって茫然ぼんやりしていると、吉川が
青い風呂敷包 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「ウム、大變なことになつたんだつてねえ、どうも……ぞ……厭やだらう!」
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
お米 おふくろさんがぞ待つてゐるんでござんせう。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
心ある人から観たら、ぞ苦々しく思われたろう。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
若「あゝ、だけれど先方さきびっくりするだろうね、まアお前さんなんてッて往くつもりなの」
う、あせにおなりなさいました、ぞまあ、おあつうござんしたでせう、おちなさいまし、旅籠はたごへおあそばしてにおはいりなさいますのが、たびするおかたにはなにより御馳走ごちそうだとまをしますね
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「昨日は失礼いたしました。突然で——ぞ吃驚なすったでしょう?」
梟の眼 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「さうですか、それはどうもんでもない事でしたね、ぞ……」
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
夜分お帰りもぞ遅くていらつしやいませうねエ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
あれもぞ喜びましょうから。
青蛙神 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
裏の方の屋根が少し損じたから其の内に修繕なおさせます、お前さんは能く毎日寒さ橋へおなさる、此の寒いのに名さえ寒さ橋てえんだからぞお寒かろう、ピュー/\風で、貴公あなたはお幾歳いくつです
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
坊主は、——坊主は——ああ、我ながら、いやな坊主を口でいて、広間じゅう撒散まきちらしたようで、聞く耳、交す口に、この息もぞ臭かったに相違ない、とほッとした、我がその息さえなまぐさい。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
犯罪の裏面に潜む秘密、それを探ってみたら、ぞ面白い事だろう。
黒猫十三 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
近いところが此楼こゝにいたあの綾衣あやぎぬがいゝお手本だよ、あんな夢中になってはつさんのところへき、惚れた同士だから中好なかよく毎日暮すだろうと、楼中うちじゅううらやみものだッたは知っているだろう
……ぞ苦しかったでしょう、乳を透して絽の紅い、其処の水が桃色にうっすりとからんでいる、胸を細く、両手で軽く襟を取って、はだけそうにしていたのが、貴方がその傍にお寄りなさいました煽りに
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「突然のことで——、吃驚びっくりなすったでしょうな」
むかでの跫音 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
清「のようにも是は願わなければ成りません、筆もぞ悦びましょう」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あめつゆむらさきに、あゐに、しぼりにひらころは、ぞとおもふ。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
清涼薬きつけですって。……ぞお暑い事で。……)
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぞようござんしょうねお月夜だったら。)
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ああ、ぞお腹がいいだろう。」
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)