)” の例文
頃は夏の最中もなか、月影やかなる夜であつた。僕は徳二郎のあとについて田甫たんぼに出で、稻の香高き畔路あぜみちを走つて川のつゝみに出た。堤は一段高く、此處に上れば廣々とした野面のづら一面を見渡されるのである。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)