銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
そしてきつと螫すでせう。蜘蛛はそれを勘づきます。で、自分の糸嚢から糸をひき出して、大急ぎで蜂の上に糸をひつぱりまはします。
科学の不思議 (新字旧仮名) / ジャン・アンリ・ファーブル(著)
妓女四散遊戯して側にあらず、樹下の穴より毒蛇出て王を螫さんとすると、樹上より鼠下り来りて鳴くごとに蛇が穴に退き入った。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
茶話:02 大正五(一九一六)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
即興詩人 (旧字旧仮名) / ハンス・クリスチャン・アンデルセン(著)
声も立てないで触れるとすぐ螫す藪蚊、蠅は殆んどいないけれども、街へ出かけるときっと二三匹ついてくる。たまたま誰か来てくれると、意識しないお土産として連れてくる。
常に鋭く尻を押つ立てて歩くやゝ小さな黒蟻は好んで人を螫し、またこれに螫されると必ず二三日脹れて痛かつた。これ等のほかに、長さ一分ほどのほつそりした赤黒い蟻がゐた。
樹木とその葉:14 虻と蟻と蝉と (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
パアテル・セルギウス (新字旧仮名) / レオ・トルストイ(著)
世界怪談名作集:14 ラザルス (新字新仮名) / レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ(著)
ちくちく螫される、かじられる。
ファウスト (新字新仮名) / ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(著)
ランボオ詩集 (新字旧仮名) / ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー(著)
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
茶話:03 大正六(一九一七)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
佐賀県東松浦郡の山村に於て、同じ二十日を蜂の養生というのも、蜂のためにはちっとも養生ではなくて、かえって一年中蜂に螫されても負けないようにというまじないかと思われる。
その幾万匹が一度に群がって賊を螫したので、かれらも狼狽した。ある者は体じゅうを螫され、ある者は眼を突きつぶされ、初めに掠奪した獲物をもみな打ち捨てて、転げまわって逃げ去った。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一度も二度も今朝がたから私を螫して逃げて行つたそれである。
樹木とその葉:14 虻と蟻と蝉と (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)