いつからともなく、どこからともなく、秋が来た。ことしは秋も早足で来たらしい。 昼はつくつくぼうし、夜はがちゃがちゃがうるさいほど鳴き立てていたが、それらもいつか遠ざかって、このごろはこおろぎの世界である。こおろぎの歌に松虫が調子をあわせる。 …
| 著者 | 種田山頭火 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 詩歌 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「愚を守る 初版本」1941(昭和16)年8月 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約3分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約5分(300文字/分) |