)” の例文
さなきだに寝難いねがたかりし貫一は、益す気の澄み、心のえ行くに任せて、又いたづらにとやかくと、彼等の身上みのうへ推測おしはかり推測り思回おもひめぐらすの外はあらず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかし、涙は喉につかえて、闇の樹立に注がれている眼は、えかえるばかりであつた。
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
私の神経がみるみる恐ろしい方向にえかえって行くのに気がついていた。
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)
淺夜にはかすむ月夜も夜ふけにはただにわたりぬえかへりつつ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
北斗のきよかげえて
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
楼前の緑はやうやく暗く、遠近をちこちの水音えて、はや夕暮ゆふくるる山風の身にめば、先づ湯浴ゆあみなどせばやと、何気無く座敷に入りたる彼のまなこを、又一個ひとつ驚かす物こそあれ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
浅夜にはかすむ月夜も夜ふけにはただにわたりぬえかへりつつ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うるはしえたる空は遠く三四みつよついかの影を転じて、見遍みわたす庭の名残なごり無く冬枯ふゆかれたれば、浅露あからさまなる日の光のまばゆきのみにて、啼狂なきくるひしこずゑひよの去りし後は、隔てる隣より戞々かつかつ羽子はね突く音して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しばしばも息吹きやすむ風息かざいきのこのけぶかさはえかへるなり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
しばしばも息吹きやすむ風息かざいきのこのけぶかさはえかへるなり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こまかた銀杏いてふ散葉ちりはえてその向き向きを霜のよろしさ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
こまかた銀杏いてふ散葉ちりはえてその向き向きを霜のよろしさ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)