“指点”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
してん83.3%
16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
第三に創作の構造、これなども、段々古い技巧の衣をぬぎ捨てゝ、一直線に新技巧に向つて進んだ著しい跡が歴々と指点してんされる。
明治文学の概観 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
向うの村のこずえに先ずおとずれて、丘の櫟林、谷の尾花が末、さては己が庭の松と、次第に吹いて来る秋風を指点してんするに好い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
人に指点す指の、ほっそりと爪先つまさきに肉を落すとき、明かなる感じは次第に爪先に集まって焼点しょうてん構成かたちづくる。藤尾ふじおの指は爪先のべにを抜け出でて縫針のがれるに終る。見るものの眼は一度に痛い。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
物足らぬとは指点す指の短かきに過ぐる場合を云う。足り余るとは指点す指の長きに失する時であろう。糸子は五指を同時に並べたような女である。足るとも云えぬ。足り余るとも評されぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)