“佐(さ)” の例文
「ヘッヘヘ、自慢では御座いませんが、鍼は漆検校(うるしけんぎょう)の門弟で、佐(さ)の市(いち)とお聴き下されば、御存じの方も御座いましょう」
禁断の死針 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
三芝居もどんなものだか、佐(さ)の松(まつ)の若衆人形の落ちこぼれが、奥山(おくやま)あたりに出没しているとのことだが、それも気が進まない。活人形(いきにんぎょう)も見てしまった。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
隙(すか)さず咽喉(のどもと)へ突貫(つきとほ)さんとしけれども手先(てさき)狂(くる)ひて頬(ほゝ)より口まで斬付(きりつけ)たり源八悶(もだえ)ながら顏を見ればお高(たか)なりしにぞ南無(なむ)三と蹴倒(けたふ)して其所(そこ)を飛出(とびいだ)し連(つれ)の佐(さ)七と倶(とも)に後(あと)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
恐れて寄り付かず、仕方がありませんから、暴(あ)れ狂う父さんを、仲の好(い)い佐(さ)の市(いち)さんとお祷りに来た道尊さんにお願いして私はちょっと抜け出して来ました
渡(わた)し其夜は口上にて委細(ゐさい)咄(はなし)に及べば南藏院は篤(とく)と承知し早速(さつそく)懇意(こんい)なる芝田町二丁目の阿波屋吉兵衞(あはやきちべゑ)品川(しながは)宿の河内屋與兵衞本石町二丁目の松屋(まつや)佐(さ)四郎下鎌田村(しもかまだむら)の長谷川(はせがは)卯(う)兵衞兩國米澤町の鼈甲屋喜助等(べつかふやきすけとう)の五人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「按摩(あんま)の佐(さ)の市(いち)さんが帰って、奥で横になって休んだまま、——今しがた文三郎さんが行ってみると——」
以て母の養育(やういく)に當候と少しも滯(とゞこ)ほりなく申立る體(てい)如何にも誠心(せいしん)に見えければ大岡殿(おほをかどの)大いに感じられ其方事女には稀(まれ)なる志操(こゝろざし)なり追々(おひ/\)取調(とりしら)べ遣(つか)はさんとて一件(けん)相濟迄(あひすむまで)瀬川は主人(しゆじん)へ預(あづ)け申付(つけ)られ皆々下られけり夫より大岡殿(おほをかどの)源八佐(さ)七が人相(にんさう)疵等(きずとう)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)