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避
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さ
ふりがな文庫
“
避
(
さ
)” の例文
一度は私と約束までした仲を、何時の間に冷たい心持になつたか、それは知らないが、近頃は私を
避
(
さ
)
けてばかりゐるお通さんだつた。
銭形平次捕物控:256 恋をせぬ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私がこの日頃そこに近寄るのを努めて
避
(
さ
)
けるようにしていた、私の
昔
(
むかし
)
の女友達の
別荘
(
べっそう
)
の前を通らなければならないことを認めたのだ。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
避
(
さ
)
けようと思ふ代りに、私は却つて思ひ切つて——それを
見極
(
みきは
)
めたいと願ふのであつた。そしてイングラム孃は幸福な人だと思つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ゆうべの
夢見
(
ゆめみ
)
が
忘
(
わす
)
れられぬであろう。
葉隠
(
はがく
)
れにちょいと
覗
(
のぞ
)
いた
青蛙
(
あおがえる
)
は、
今
(
いま
)
にも
落
(
お
)
ちかかった三
角頭
(
かくとう
)
に、
陽射
(
ひざ
)
しを
眩
(
まば
)
ゆく
避
(
さ
)
けていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかし、仕事の上でどうしても話しあわなければならないことが多かったので、いつもいつも二人を
避
(
さ
)
けてばかりはおれなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
庭
(
には
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
身
(
み
)
を
避
(
さ
)
けてしんみりと
互
(
たがひ
)
の
胸
(
むね
)
を
反覆
(
くりかへ
)
す
時
(
とき
)
繁茂
(
はんも
)
した
柹
(
かき
)
や
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
は
彼等
(
かれら
)
が
唯
(
ゆゐ
)
一の
味方
(
みかた
)
で
月夜
(
つきよ
)
でさへ
深
(
ふか
)
い
陰翳
(
かげ
)
が
安全
(
あんぜん
)
に
彼等
(
かれら
)
を
包
(
つゝ
)
む。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「あ、あすこ
石炭袋
(
せきたんぶくろ
)
だよ。そらの
孔
(
あな
)
だよ」カムパネルラが少しそっちを
避
(
さ
)
けるようにしながら天の川のひととこを
指
(
ゆび
)
さしました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
第八条 (1) 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ
其
(
そ
)
ノ
災厄
(
さいやく
)
ヲ
避
(
さ
)
クル
為
(
ため
)
緊急ノ必要ニ
由
(
よ
)
リ帝国議会閉会ノ場合ニ
於
(
おい
)
テ法律ニ代ルヘキ
勅令
(
ちょくれい
)
ヲ発ス
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
ところで、その陽虎様がこの間から孔丘を用いようと何度も
迎
(
むか
)
えを出されたのに、何と、孔丘の方からそれを
避
(
さ
)
けているというじゃないか。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
女も自分がとかく接近するのを
避
(
さ
)
けもせず、自分が毎日隣に来るのをそれと気づいてるらしいが、それをいやに思うようなふうでなかった。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
わけて感情を口に出すのを敬蔵は絶対に
避
(
さ
)
けた。そういうことは
嫌味
(
いやみ
)
として旧東京の老人はついにそれに対する素直な表現欲を失っていた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
爆撃
(
ばくげき
)
をさけるためですかって。もちろんそれもありましょうが、もう一つの理由は、金博士は宇宙線を
極度
(
きょくど
)
に
避
(
さ
)
けて生活していられるのです。
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
火につつまれたら
逃
(
に
)
げ途はない。だから早く逃げられる中に、とっさに難を
避
(
さ
)
けさせた。家は、私一人だけが残って守った。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
かの者止まらず、彼に此に耳を傾け、また手を伸べて與ふればその人再び迫らざるがゆゑに、かくして身をまもりて
推合
(
おしあ
)
ふことを
避
(
さ
)
く 七—九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
燕王此の勢を
視
(
み
)
、国に帰れるより
疾
(
やまい
)
に
托
(
たく
)
して出でず、
之
(
これ
)
を久しゅうして遂に
疾
(
やまい
)
篤
(
あつ
)
しと称し、以て一時の視聴を
避
(
さ
)
けんとせり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
閉じあるいは視線を
外
(
そ
)
らすようにした故に春琴の相貌がいかなる程度に変化しつつあるかを実際に知らなかったしまた知る機会を自ら
避
(
さ
)
けた。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私
(
わたし
)
は、わかい
牝牛
(
めうし
)
の
腎臓脂肪
(
じんぞうしぼう
)
へチーズを交ぜ、それを
陶器皿
(
とうきざら
)
に入れてとろ火で
煮
(
に
)
た。
金物
(
かなもの
)
の
臭
(
にお
)
いを
避
(
さ
)
けるために、中の
骨
(
ほね
)
を小刀がわりに使った。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
そのままでゆけば何でもないのであったけれど……。千穂子は
臆病
(
おくびょう
)
であったために、ふっとした肉体の
誘惑
(
ゆうわく
)
を
避
(
さ
)
けることが出来なかったのだ……。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
一枝
(
ひとえだ
)
の
桂
(
かつら
)
を
折
(
を
)
れ、
一輪
(
いちりん
)
の
花
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
め。
奚
(
なん
)
ぞみだりに
妻
(
つま
)
に
仇
(
あだ
)
して、
我
(
われ
)
をして
避
(
さ
)
くるに
処
(
ところ
)
なく、
辞
(
じ
)
するに
其
(
そ
)
の
術
(
すべ
)
なからしむる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大
(
おお
)
きな
船
(
ふね
)
がいったぞ。そのときは、おれたちは、
波
(
なみ
)
の
中
(
なか
)
へ
巻
(
ま
)
きこまれようとした。やっと
急
(
いそ
)
いでほどへだたった、
安全
(
あんぜん
)
な
場所
(
ばしょ
)
へ
避
(
さ
)
けることができた。
なまずとあざみの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
貴公のいう通り、所詮、
襲
(
く
)
るなと祈っても、いくら警固や防ぎをしてみても、先は、空を
翔
(
か
)
けてくる
疾風雲
(
はやてぐも
)
のようなものだ。
一暴風雨
(
ひとあらし
)
は
避
(
さ
)
けられまい
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昔
(
むかし
)
はかういふことの
自由
(
じゆう
)
に
出來
(
でき
)
るのが
名人
(
めいじん
)
だと
思
(
おも
)
はれたのですが、
今
(
いま
)
ではかへって、
文學
(
ぶんがく
)
を
味
(
あぢは
)
ふ
上
(
うへ
)
の
足手纏
(
あしてまと
)
ひとして、
避
(
さ
)
けねばならぬことであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
かく歌ひつつ幸でましし時に、御杖もちて、大坂
一二
の道中なる大石を打ちたまひしかば、その石走り
避
(
さ
)
りき。かれ諺に
堅石
(
かたしは
)
も
醉人
(
ゑひびと
)
を
避
(
さ
)
るといふなり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
自動車は余の嫌いなものゝ
一
(
ひとつ
)
である。曾て
溜池
(
ためいけ
)
の
演伎座前
(
えんぎざまえ
)
で、
微速力
(
びそくりょく
)
で
駈
(
か
)
けて来た自動車を
避
(
さ
)
けおくれて、田舎者の婆さんが
洋傘
(
こうもり
)
を引かけられて
転
(
ころ
)
んだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
自分
(
じぶん
)
は
在學
(
ざいがく
)
當時
(
たうじ
)
の
舊友
(
きういう
)
に
逢
(
あ
)
ふのを、
特
(
とく
)
に
避
(
さ
)
けたい
理由
(
りいう
)
を
持
(
も
)
つてゐたので、
彼
(
かれ
)
の
旅館
(
りよくわん
)
を
訪
(
たづ
)
ねる
氣
(
き
)
は
毛頭
(
まうとう
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
熱するというのはすなわち感情の
昂奮
(
こうふん
)
する
謂
(
いい
)
である。しかしことにあたるか否かを判断するときは、
須
(
すべから
)
く感情を
避
(
さ
)
け冷静に
是非曲直
(
ぜひきょくちょく
)
の判断を下すを要する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
敢
(
あへ
)
て往路を
俯瞰
(
ふかん
)
するものなし、
荊棘
(
けいきよく
)
の中黄蜂の
巣窟
(
すうくつ
)
あり、先鋒
誤
(
あやまつ
)
て之を
乱
(
みだ
)
す、後に
継
(
つ
)
ぐもの其
襲撃
(
しうげき
)
を被ふるも
敢
(
あへ
)
て之を
避
(
さ
)
くるの
道
(
みち
)
なし、顔面
為
(
ため
)
に
腫
(
は
)
れし者
多
(
おう
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
それには
種々
(
しゆ/″\
)
の
理由
(
りゆう
)
があるでせうが、その
一
(
ひと
)
つは
敵
(
てき
)
の
襲撃
(
しゆうげき
)
を
免
(
のが
)
れ、
猛獸
(
もうじゆう
)
の
害
(
がい
)
を
避
(
さ
)
けるためであつたでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
いそに
漂着
(
ひょうちゃく
)
したる丸太や竹を
梁
(
はり
)
や
桁
(
けた
)
とし、
芦
(
あし
)
を
結
(
むす
)
んで屋根を
葺
(
ふ
)
き、
苫
(
とま
)
の破片、
藻草
(
もぐさ
)
、松葉等を掛けてわずかに
雨露
(
あめつゆ
)
を
避
(
さ
)
けたるのみ。すべて
乏
(
とぼ
)
しく荒れ果てている。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
下
(
した
)
の
方
(
ほう
)
でちょうど
子家鴨
(
こあひる
)
がやっと
身
(
み
)
を
滑
(
すべ
)
り
込
(
こ
)
ませられるくらい
透
(
す
)
いでいるので、
子家鴨
(
こあひる
)
は
静
(
しず
)
かにそこからしのび入り、その
晩
(
ばん
)
はそこで
暴風雨
(
あらし
)
を
避
(
さ
)
ける
事
(
こと
)
にしました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ジナイーダは、わたしを
避
(
さ
)
けていた。わたしの顔が見えると——これはわたし自身、いやでも気づかざるを得なかったのだが——彼女は厭な気持がするらしかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
俺はとにかく誘惑を
避
(
さ
)
けよう。俺はどれほど
蠱惑的
(
こわくてき
)
でもそんなところにまごついてはいられない。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
僕も父もしばらくの間毎朝水を浴びて精進し、その間に
喧嘩
(
けんくわ
)
などを
避
(
さ
)
け魚介虫類のやうなものでも殺さぬやうにし、多くの一厘銭を一つ一つ塩で磨いて
賽銭
(
さいせん
)
に用意した。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
避
(
さ
)
けられるならば
避
(
さ
)
けるが
宜
(
よろ
)
しいと
云
(
い
)
ふ
考
(
かんがへ
)
からして、
短期期限附
(
たんききげんつき
)
の
金解禁
(
きんかいきん
)
を
發表
(
はつぺう
)
したのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
關東大地震後
(
かんとうだいぢしんご
)
、この
方面
(
ほうめん
)
に
於
(
お
)
ける
研究
(
けんきゆう
)
も
大
(
おほ
)
いに
進
(
すゝ
)
み、
或
(
あるひ
)
は
鐵管
(
てつかん
)
の
繼手
(
つぎて
)
の
改良
(
かいりよう
)
、
或
(
あるひ
)
は
地盤不良
(
ぢばんふりよう
)
な
場所
(
ばしよ
)
を
避
(
さ
)
けて
敷設
(
ふせつ
)
すること、
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
なければ
豫備
(
よび
)
の
複線
(
ふくせん
)
を
設
(
まう
)
けることなど
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
日本太古
(
にほんたいこ
)
の
原始的家屋
(
げんしてきかをく
)
はともかくも、
既
(
すで
)
に三
韓
(
かん
)
支那
(
しな
)
と
交通
(
かうつう
)
して、
彼
(
か
)
の
土
(
と
)
の
建築
(
けんちく
)
が
輸入
(
ゆにふ
)
されるに
當
(
あた
)
つて、
日本人
(
にほんじん
)
は
何
(
なに
)
ゆゑに
彼
(
か
)
の
土
(
と
)
において
賞用
(
しやうよう
)
せられた
石
(
いし
)
や
甎
(
せん
)
の
構造
(
こうざう
)
を
避
(
さ
)
けて
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
女は急に
避
(
さ
)
くべからざる、恐ろしい運命に自分が襲われるのだという事を感じて、一
時
(
じ
)
に何もかも分かったように思った。やはりこの男が我が幸福、我が生命であったのだ。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
自分
(
じぶん
)
は
命
(
みこと
)
のお
指図
(
さしず
)
で、
二人
(
ふたり
)
ばかりの
従者
(
とも
)
にまもられて、とある
丘
(
おか
)
の
頂辺
(
いただき
)
に
避
(
さ
)
けて、
命
(
みこと
)
の
御身
(
おんみ
)
の
上
(
うえ
)
を
案
(
あん
)
じわびて
居
(
お
)
りましたが、その
中
(
うち
)
四
方
(
ほう
)
から
急
(
きゅう
)
にめらめらと
燃
(
も
)
え
拡
(
ひろ
)
がる
野火
(
のび
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今それを人間にたとうれば、同族結婚を
避
(
さ
)
けて他族結婚をしたこととなる。実際
縁
(
えん
)
の近い人同士の結婚はあまり有利でなく、これに反して縁の遠い人同士の結婚が有利である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
夫
(
をつと
)
のおのれをよく
脩
(
をさ
)
めて
九
教へなば、此の
患
(
うれひ
)
おのづから
避
(
さ
)
くべきものを、只
一〇
かりそめなる
徒
(
あだ
)
ことに、女の
一一
慳
(
かだま
)
しき
性
(
さが
)
を
募
(
つの
)
らしめて、其の身の
憂
(
うれひ
)
をもとむるにぞありける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
おまけに
小雨
(
こさめ
)
さへ
降
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
したので、
一先
(
ひとま
)
づ
怪
(
あや
)
しき
天幕
(
てんと
)
の
下
(
した
)
に、それを
避
(
さ
)
けて
居
(
ゐ
)
ると、
後
(
うしろ
)
の
畑
(
はたけ
)
にごそめく
音
(
おと
)
がするので、
見
(
み
)
ると
唯一人
(
たゞひとり
)
、十六七の
少女
(
せうぢよ
)
が、
畑
(
はた
)
の
中
(
なか
)
で
草
(
くさ
)
を
取
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
避
(
さ
)
けて
見
(
み
)
られじとする
氣
(
き
)
あつかひも
他人
(
たにん
)
は
何
(
なん
)
の
感
(
かん
)
じもなく
摺
(
す
)
れ
違
(
ちが
)
つて
見合
(
みあ
)
はす
眼
(
まなこ
)
の
電光
(
いなづま
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一筋道
(
ひとすじみち
)
で
何処
(
どこ
)
へも
避
(
さ
)
けることが出来ません、一角は
狽
(
うろた
)
えて
後
(
あと
)
へ帰ろうとすれば村が近い、仕方がないからさっさっと側の薄畳の蔭の処へ身を潜め、小さくなって隠れて居ります。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
にんじんは附け加える——「一般的には、たしかにそういえるんだ。個人的の問題は
避
(
さ
)
けよう。だから、
母
(
かあ
)
さんがもしここにいれば、母さんの前で、僕あ、おんなじことをいうよ」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
路
(
みち
)
で
出合
(
であ
)
ふ
老幼
(
らうえう
)
は、
皆
(
みな
)
輿
(
よ
)
を
避
(
さ
)
けて
跪
(
ひざまづ
)
く。
輿
(
よ
)
の
中
(
なか
)
では
閭
(
りよ
)
がひどく
好
(
い
)
い
心持
(
こゝろもち
)
になつてゐる。
牧民
(
ぼくみん
)
の
職
(
しよく
)
にゐて
賢者
(
けんしや
)
を
禮
(
れい
)
すると
云
(
い
)
ふのが、
手柄
(
てがら
)
のやうに
思
(
おも
)
はれて、
閭
(
りよ
)
に
滿足
(
まんぞく
)
を
與
(
あた
)
へるのである。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
何
(
なん
)
でも
無遠慮
(
ぶゑんりよ
)
に
話
(
はな
)
す
老人
(
らうじん
)
が
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
の
事
(
こと
)
は
成
(
な
)
る
可
(
べ
)
く
避
(
さ
)
けて
言
(
い
)
はないやうにして
居
(
ゐ
)
た。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
悠然
(
いうぜん
)
と
車上
(
しやじよう
)
に
搆
(
かま
)
へ
込
(
こ
)
んで
四方
(
しはう
)
を
睥睨
(
へいげい
)
しつゝ
駆
(
か
)
けさせる時は
往来
(
わうらい
)
の
奴
(
やつ
)
が
邪魔
(
じやま
)
でならない右へ
避
(
よ
)
け左へ
避
(
さ
)
け、ひよろひよろもので
往来
(
わうらい
)
を
叱咜
(
しつた
)
されつゝ歩く時は
車上
(
しやじよう
)
の奴
が
(
やつ
)
が
癇癪
(
かんしやく
)
でならない。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くるは
相身互
(
あひみたが
)
ひ、
浮世
(
うきよ
)
を
煩
(
うるさ
)
う
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
には、
身一
(
みひと
)
つでさへも
多
(
おほ
)
いくらゐ、
強
(
あなが
)
ち
同志
(
つれ
)
を
追
(
お
)
はずともと、
只
(
たゞ
)
もう
己
(
おの
)
が
心
(
こゝろ
)
の
後
(
あと
)
をのみ
追
(
お
)
うて、
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くる
其人
(
そのひと
)
をば
此方
(
こちら
)
からも
避
(
さ
)
けました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
然
(
しか
)
るに幕府の
始末
(
しまつ
)
はこれに反し、
穏
(
おだやか
)
に政府を
解散
(
かいさん
)
して
流血
(
りゅうけつ
)
の
禍
(
わざわい
)
を
避
(
さ
)
け、
無辜
(
むこ
)
の人を殺さず、
無用
(
むよう
)
の
財
(
ざい
)
を散ぜず、一方には徳川家の
祀
(
まつり
)
を存し、一方には維新政府の
成立
(
せいりつ
)
を
容易
(
ようい
)
ならしめたるは
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
雪沢
(
ゆきさわ
)
村の
枝郷
(
えだむら
)
の黒沢という部落では、
鎮守
(
ちんじゅ
)
の
雷神様
(
らいじんさま
)
がお嫌いだからと謂って、一村の者すべて煙草をのまず、甚だしくこれを
忌
(
い
)
み
避
(
さ
)
けたということだが、現在はどうなっているかを知らぬ。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
避
常用漢字
中学
部首:⾡
16画
“避”を含む語句
退避
避暑
逃避
避難所
忌避
避病院
日避
避暑客
避難者
神避
逃避的
遠避
避穀丸
雷避
避難
避雷針
回避
火避地
避寒
片避
...