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為
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さ
ふりがな文庫
“
為
(
さ
)” の例文
旧字:
爲
一つ間違へば命も失はなければならん、
不具
(
かたは
)
にも
為
(
さ
)
れなければならん、阿父さんの身の上を考へると、私は夜も寝られんのですよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
婦女
(
をんな
)
の身としては
他人
(
よそ
)
の見る眼も羞づかしけれど、何にも彼も貧が
為
(
さ
)
する不如意に是非のなく、今ま縫ふ猪之が綿入れも洗ひ曝した松坂縞
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
正太様——お前さまの
祖母様
(
おばあさま
)
や
母上様
(
おっかさま
)
は皆な立派な旧家から来ておいでる……大旦那は学問を
為
(
し
)
過ぎたで、それで不経済なことを
為
(
さ
)
っせえたが
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
嗚呼
(
ああ
)
見苦しい事だ、自分の産んだ子ならば学問修業の
為
(
た
)
めに洋行させるも
宜
(
よろ
)
しいが、貧乏で出来なければ
為
(
さ
)
せぬが
宜
(
よろ
)
しい
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
敷地の買上、その
代価
(
ねだん
)
の交渉、受負師との掛引、割当てた寄附金の取立、現金の始末まで自分に
為
(
さ
)
せられるので、自然と
算盤
(
そろばん
)
が机の上に置れ通し。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
うつかり
見惚
(
みと
)
れるはずみに
鞍
(
くら
)
を
外
(
はず
)
して落馬した、
打処
(
うちどころ
)
が
病
(
やまい
)
のもとで、あの
婦人
(
おんな
)
ともを
為
(
さ
)
せろ、と
言
(
い
)
ひ
死
(
じに
)
に亡くなられた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
手紙をお書き今に三河やの御用聞きが来るだろうからあの子僧に使ひやさんを
為
(
さ
)
せるが
宜
(
い
)
い、
何
(
なん
)
の人お嬢様ではあるまいし御遠慮ばかり
申
(
まをし
)
てなる物かな
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勝手に
爪弾
(
つまはじき
)
しやアがれ、この重右衛門様はナ、
奴等
(
うぬら
)
のやうなものに相手に
為
(
さ
)
れねえでも……ねつから困らねえだア……べら棒め、根本三之助などと威張りやアがつて元ア
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
柳田君の『山島民譚集』に、河童の類語を夥しく
蒐
(
あつ
)
めたが、水蛇については一言も
為
(
さ
)
れ居ぬ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「貴方をこの
家
(
うち
)
に一生涯養って、どんな
贅沢
(
ぜいたく
)
でも思う存分
為
(
さ
)
せて上げます」と云っても
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「あなた、
必然
(
きっと
)
ですか。
可
(
よ
)
ござんすか。
欺
(
だま
)
すと山𤢖を頼んで、意趣返しを
為
(
さ
)
せますよ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
余程
(
よッぽど
)
下宿しようかと思った、が、思ったばかりで、下宿もせんで、
為
(
さ
)
せられる儘に靴磨きもして、
而
(
そう
)
して国元へは其を隠して居た。少し妙なようだが、なに、妙でも何でもない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「旦那さい。
何
(
ぬー
)
ん、
悪事
(
やなくと
)
お、
為
(
さ
)
びらん。
此処
(
くまん
)
かい、
隠
(
かく
)
くゐていど、
居
(
を
)
やびいたる。」
奥間巡査
(新字旧仮名)
/
池宮城積宝
(著)
まあ聞いてて…………今まであなたは私のすることに無関心であるらしい程黙って私に何でも勝手を
為
(
さ
)
せて呉れたわね。それで居て全然私に興味が無いという素振りでも無かったわね。
ドーヴィル物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
もう何もいやな
思
(
おもい
)
をお
為
(
さ
)
せ申すことはない。欲しいものは差上げるがいいんだ。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
「さあ、
息
(
いぎ
)
の
音
(
おど
)
あ
為
(
さ
)
ないがけあな。
口
(
くぢ
)
も無いようだけあな。」
鹿踊りのはじまり
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「された、あゝ、
為
(
さ
)
れたよ。」
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
どうか洋行の一つも
為
(
さ
)
せて、指折の人物に
為
(
し
)
たいと考へてゐるくらゐ、
未
(
ま
)
だ未だこれから
両肌
(
りようはだ
)
を脱いで世話をしなければならんお前の体だ、なう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
……
狂人
(
きちがひ
)
でも
何
(
なん
)
でも
構
(
かま
)
はん。
自分
(
じぶん
)
が
生命
(
いのち
)
がけの
女房
(
にようばう
)
を
自分
(
じぶん
)
が
救
(
すく
)
ふに
間違
(
まちがひ
)
は
有
(
あ
)
るまい。
凡
(
すべ
)
て
任
(
まか
)
して
貰
(
もら
)
はう。
何
(
なん
)
でも
私
(
わたし
)
のするまゝに
為
(
さ
)
して
下
(
くだ
)
さい。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
髭
(
ひげ
)
の赤い舎監が部屋の扉を開けて見廻りに来た。第四学年と成ってからは舎監も皆の
為
(
す
)
るように
為
(
さ
)
せて、
強
(
し
)
いて寄宿の規則なぞをやかましく言わない。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その未亡人の相談柱に
為
(
さ
)
せたのが、間違のそも/\、遂に此の軍人の未亡人と、教育あり位置あり思慮ある紳士との間に、不正の恋愛が成り立ち、覚へず知らず姦通の罪悪に陥るのだ。
未亡人と人道問題
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私はどんな
愁
(
つ
)
らき事ありとも必らず辛抱しとげて一人前の男になり、
父
(
とと
)
さんをもお前をも今に楽をばお
為
(
さ
)
せ申ます、どうぞそれまで何なりと
堅気
(
かたぎ
)
の事をして一人で世渡りをしてゐて下され
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
扨は例の怪物だナと悟ったから、この畜生めッと直ぐに鉄砲を向けると、其の人は慌てて私の手を捉え、アアモシ
飛
(
とん
)
だ事を為さる、アノ坊さんに怪我でも
為
(
さ
)
せては大変ですと、無理に
抑留
(
ひきと
)
める。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
馬鹿にされて居ります、意気地の無い奴でござります、
虚誕
(
うそ
)
はなか/\申しませぬ、御上人様、大工は出来ます、
大隅流
(
おほすみりう
)
は
童児
(
こども
)
の時から、後藤立川二ツの流義も合点致して居りまする、
為
(
さ
)
せて
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
青眼先生は一寸の
猶予
(
ゆうよ
)
も無く両親を呼んで紅矢の番を
為
(
さ
)
せました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「さあ、
息
(
いぎ
)
の
音
(
おど
)
あ
為
(
さ
)
ないがけあな。
口
(
くぢ
)
も
無
(
な
)
いやうだけあな。」
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
悪事
(
やなくと
)
お、
為
(
さ
)
びらん、
旦那
(
だんな
)
さい。」
奥間巡査
(新字旧仮名)
/
池宮城積宝
(著)
稼
(
かせ
)
げるだけ稼がせないのは損だと云つたやうな
了簡
(
りようけん
)
で、長い間無理な勤を
為
(
さ
)
せまして、散々に
搾
(
しぼ
)
り取つたので御座います。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けて
寒
(
さむ
)
からうと、
深切
(
しんせつ
)
に
為
(
し
)
たに
違
(
ちがひ
)
ないが、
未練
(
みれん
)
らしい
諦
(
あきら
)
めろ、と
愛想尽
(
あいさうつか
)
しを
為
(
さ
)
れたやうで、
赫
(
くわつ
)
と
顔
(
かほ
)
が
熱
(
あつ
)
くなる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
利のために坪内さんをして心にもない不正な事を
為
(
さ
)
せるんだ。
予が半生の懺悔
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「どうか
御免
(
ごめ
)
御免
(
ごめ
)
。
何
(
な
)
じょなことでも
為
(
さ
)
んす。」
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ものを
教
(
おし
)
へますと
覚
(
おぼ
)
えますのに
嘸
(
さぞ
)
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れて
切
(
せつ
)
なうござんせう、
体
(
からだ
)
を
苦
(
くる
)
しませるだけだと
存
(
ぞん
)
じて
何
(
なんに
)
も
為
(
さ
)
せないで
置
(
お
)
きますから、
段々
(
だん/″\
)
、
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かす
働
(
はたらき
)
も、ものをいふことも
忘
(
わす
)
れました。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
扨
(
さて
)
雑誌は
益〻
(
ます/\
)
売れるのであつたが、
会計
(
くわいけい
)
の
不取締
(
ふとりしまり
)
と
一
(
ひと
)
つには
卸売
(
おろしうり
)
に
行
(
ある
)
かせた
親仁
(
おやじ
)
が
篤実
(
とくじつ
)
さうに見えて、実は
甚
(
はなは
)
だ
太
(
ふと
)
い
奴
(
やつ
)
であつたのを知らずに
居
(
ゐ
)
た
為
(
ため
)
に、
此奴
(
こいつ
)
に
余程
(
よほど
)
好
(
よ
)
いやうな事を
為
(
さ
)
れたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「どうか
御免御免
(
ごめごめ
)
。
何
(
な
)
じょなことでも
為
(
さ
)
んす。」
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
“為”を含む語句
所為
行為
何為
為合
無為
御為
徒為
為替
為様
有為
作為
以為
人為
為出
為立
為掛
為難
当為
為事
為方
...