“狭(さ)” の例文
旧字:狹
「風雑(まじ)り雨降る夜の、……如何にしつつか、汝(な)が世は渡る」といえば、一人が、「天地は広しといへど、あが為(ため)は狭(さ)くやなりぬる、……斯くばかり術(すべ)無きものか、世間(よのなか)の道」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いつの時代(ときよ)なりけん。紀の国二三輪が崎に、大宅(おほや)の竹助といふ人在りけり。此の人三海の幸(さち)ありて、海郎(あま)どもあまた養ひ、四鰭(はた)の広(ひろ)物狭(さ)き物を尽(つく)してすなどり、家豊かに暮しける。
紀(き)の国(くに)の三輪(みわ)が崎(さき)に大宅竹助(おおやのたけすけ)と云うものがあって、海郎(あま)どもあまた養い、鰭(はた)の広物(ひろもの)、狭(さ)き物(もの)を尽して漁(すなど)り、家豊(ゆたか)に暮していたが、三人の小供があって、上の男の子は、父に代って家を治め
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
吾(あ)が為は 狭(さ)くやなりぬる
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
狭(さ)の国は広くと
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)