-
トップ
>
-
ぺう
「さうなんでさ、うまいもんだからわしも
到頭米一
俵損させられちやつて」
勘次はそれをいふ
度に
惜し
相な
容子が
見えるのである。
科に
陷いれる
而已ならず其妻に
不義を申し掛し
段不屆の至なり
依て二百五十
俵召上られ
重き
刑罪にも
處せらるべき處
格別の
御慈悲を以
打首次に七助事主人を
今から
穀の
用意もしなくては
成らぬと
思ふと
自分の
身上から一
俵の
米を
減じては
到底立ち
行けぬことを
深く
思案して
彼は
眠らないこともあつた。
御
祈願所と御定め一ヶ年米三百
俵づつ
永代御
寄附ある樣に我々
取計ひ申べし然すれば永く社頭の
譽れにも相成候事なり
精々御
働き下されと事十分なる
頼みの
言葉に肥前の申樣は御入用の金子は
何程か
存せねど
拙者に於ては三百兩を
これらは
八三顔子が一
瓢の
味ひをもしらず。かく
果つるを、
八四仏家には
前業をもて説きしめし、
八五儒門には天命と教ふ。
「……一門の
茅屋一
瓢あり、三尺の雄刀七尺の身、憂国
叨りに招く衆人の
謗り……」