ひょう)” の例文
そこでそれらの必要品のある時には、子供らは自家製の炭俵を一、二ひょう背中に背負って、朝登校がてらに、学校のすぐ隣の店まで運んで行くのだった。
もとより大した穀高こくだかになるというほどのものでもないが、ひょうがいくらというきまった金に毎年替えられるので、二十や三十の下宿代に窮する身分ではなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もしその十分の一の力を発揮はっきしえたなら、おそらく今日十五、六貫目かんめの我々の五体をもって、米の四、五ひょう朝飯前あさめしまえに二、三里の道を運搬うんぱんすることができよう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのおさめわったに、おとこ代金だいきんをせいきゅうしますと、おさめた俵数たわらかずより、二ひょうすくなく、これしかうけとらぬから、それだけの代金だいきんしかはらえないというのでした。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
米俵が十数ひょうも神前にまれて、奉納者ほうのうしゃの名を書いた奉書紙ほうしょがみが下げてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
村長さんの処の米倉から、白米を四ひょう盗んで行ったものがある。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ひょうにもある」
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それから何をするかと思って見ていると、例の栗をね、ひょうをほどいて、どんどん樽の中へ放り込むんですよ。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それを支那人の野郎ざるでしゃくってね、ペケだって、ひょうの目方から引いてしまうんだからたまりません。私はそばで見ていてはらはらしました。何しろ七分通り虫がってたんだから弱りました。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)