ひるがへ)” の例文
切髪は乱れ逆竪さかだちて、披払はたはたひるがへ裾袂すそたもとなびかされつつただよはしげに行きつ留りつ、町の南側を辿たどり辿りて、鰐淵が住へる横町にりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さればとて故郷の平蕪へいぶの村落に病躯を持帰るのも厭はしかつたと見えて、野州上州の山地や温泉地に一日二日或は三日五日と、それこそ白雲の風に漂ひ、秋葉の空にひるがへるが如くに
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
年少ねんせう士官しくわん老功らうこう水兵等すいへいらは『これは面白おもしろい。』と十五サンチ速射砲そくしやほうのほとり、後部艦橋こうぶかんけうもとみゝます、兵曹へいそう此處こゝぞと琵琶びはおつり、翩飜へんぽんひるがへ艦尾かんび帝國軍艦旗ていこくぐんかんきしたひざんで、シヤシヤン
ぬさの如く束ねたる薄金うすがねはさら/\と鳴り、彩りたる紐はたてがみと共にひるがへり、ひづめの觸るゝ處は火花を散せり。かゝる時彼鐵板は腋を打ちて、拍車にちぬると聞く。群衆は高く叫びて馬の後に從ひ走れり。
一曲かぜひるがへりて、海頭かいとうに満つ
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ひるがへり行くかな
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
よしさりとも、ひとたび同胞はらから睦合むつみあへりし身の、弊衣へいいひるがへして道にひ、流車を駆りて富におごれる高下こうげ差別しやべつおのづかしゆ有りてせるに似たる如此かくのごときを、彼等は更に更にゆめみざりしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ひるがへり行くかな
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
風に吹かれてひるがへ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
風に吹かれてひるがへ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
落葉と共にひるがへ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
落葉と共にひるがへ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)