ただよ)” の例文
韻ハ水風ニただよヒ、経廻けいかいノ人、家ヲ忘レザルハナシといい、釣翁ちょうおう商客、舳艫じくろ相連ナリテほとンド水ナキガ如シ、蓋シ天下第一ノ楽地ナリともいっている。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
花火は時々一団の白い煙を空に残して、やがてそれが浮びただよう雲の断片ちぎれのように、風に送られて群集の頭上を通る時には、あちこちに小供の歓呼が起る。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
上筋へ向かいただよい行き候。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)