せき)” の例文
二人ふたりは、いつかその病院びょういん病室びょうしつ案内あんないされたのでした。准尉じゅんいは、しろ衣物きもののそでにせきしるしのついたのをて、あし繃帯ほうたいしていました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
その他哥舒翰かじょかんがその馬せき将軍の背に朝章ちょうしょうを加え、宋徽宗きそうがその馬に竜驤りゅうじょう将軍を賜うたなど支那にすこぶる例多いが
せきは斉に行くのに、肥馬に乗り軽い毛衣を着ていたくらいだ。まさか留守宅が飯米にこまることもあるまい。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
莫邪の妻は男の子を生んで、その名をせきといったが、その眉間が広いので、俗に眉間尺みけんじゃくと呼ばれていた。
いまぢやをさつてつから餓鬼奴等がきめらまでせきれえびやうだなんてつてんが、さかりころなんでも疫病やくびやうおべえてたのがんだから、なあ卯平うへいもそんときやつたからつてらな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
きみ御存知ごぞんぢごと病後びやうごせき字社じしや醫者いしやすゝめられて二ヶ月間げつかんこの湯原ゆがはら滯在たいざいしてときである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かつ抉せられてかつ罵り、血を含んでただち御袍ぎょほうく。すなわち命じてその皮をぎ、長安門ちょうあんもんつなぎ、骨肉を砕磔さいたくす。清帝の夢に入って剣を執って追いて御座をめぐる。帝めて、清の族をせききょうせきす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これは私も今度聞いたが、バルチザン滅落後も北樺太のせき派は極端に不良で、白系の良民に対して脅迫掠奪残虐至らざるなしということであった。従って良民は南下して日本領内に亡命した。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
青門老圃らうほひとり一室の中に坐し、冥思めいし遐捜かさうす、両頬せきを発し火の如く、喉間こうかん咯々かく/\声あるに至る、稿をしょくし日を積まざれば出でず、思を構ふるの時にあたつて大苦あるものの如し、既に来れば則ち大喜
人生 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗廟のことや国際会談の接伴というようなことは、諸侯にとっての重大事で、やはり一国の政治だよ。しかもせきはその適任者だ。謙遜して、補佐役ぐらいなところを
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
せきのいったのは、いかがでしょう。ああいうことも一国の政治といえるでしょうか。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)