“急(せき)” の例文
ことに子供まで出来十八九ともなっているとは解らぬ事だと、目を閉じて考えてお在(いで)になると、勝五郎は短銃を貸せ、打って仕舞うからと急(せき)たてます。
「まあ姐さん、急(せき)なさんな。着ける所は眼の先だ。がその前にご相談、厭でも諾(き)いて貰わなけりゃあならねえ」
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ま、ま、待(ま)っておくんなせえやし。そんなにお急(せき)ンならねえでも、おせんの返事(へんじ)は、直(す)ぐさまお聞(き)かせ申(もう)しやすが、ここは道端(みちばた)、誰(だれ)に見(み)られねえとも限(かぎ)りやせん。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
遣ひ手にも入ず白妙を今失ひては口惜(くちをし)しと追駈(おつかけ)來り逃亡者(かけおちもの)を渡せばよし萬一渡さずば汝れ迄刀の錆(さび)にして遣ると氷の如き一刀引拔(ひきぬき)終(つひ)に重五郎を切殺(きりころ)し心急(せき)たる其餘り煙草(たばこ)入を落せしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼はもう急(せき)込んで、水木の顔を覗込んだ。だが水木は、如何にも考(かんがえ)深そうに
魔像 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
お島はまだ母親の傍にいる男を急(せき)たてて、やっと外へ出た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)