“急忙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せわ25.0%
せは12.5%
あはた12.5%
あわただ12.5%
あわたゞ12.5%
きふばう12.5%
きゅうぼう12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗助は微笑しながら、急忙せわしい通りを向側むこうがわへ渡って、今度は時計屋の店をのぞき込んだ。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけ微笑びせうしながら、急忙せはしいとほりを向側むかふがはわたつて、今度こんど時計屋とけいやみせのぞんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此処には最早もはや旅愁をそゝのかされるやうな物売の呼声を聞くことができぬ、意外に空気は急忙あはただしいが厳粛なものであつた、私は押し流されるやうにして
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日がむしくひ、黄色い陰鬱の光のもとにまだ見も知らぬ寂しい鳥がほろほろと鳴き、曼珠沙華のかげをいたち急忙あわただしく横ぎるあとから、あの恐ろしい生膽取は忍んで來る。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
急忙あわたゞしくものろはしきのたたずまひ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
〔譯〕一そく間斷かんだん無く、一こく急忙きふばう無し。即ち是れ天地の氣象きしやうなり。
砲声を前景にした茶褐色ちゃかっしょくのはげた丘、その急忙きゅうぼうの中を、水筒を肩からかけ、ピストルを腰に巻いて、手帳と鉛筆とを手にして飛んで歩いている一文学者の姿をかれはうらやましく思った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)