“落涙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らくるい69.2%
らくるゐ30.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はかしこまって聞き果てると、膝に手をついたッきりどうしても顔を上げてそこな男女ふたりを見ることが出来ぬ、何か胸がキヤキヤして、はらはらと落涙らくるいした。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
忽ち其墓の前に名刺めいしを置いて落涙らくるいする一青年せいねん士官しかん姿すがたが現われる。それは寄生木やどりぎ原著者げんちょしゃである。あゝ其青年士官——彼自身最早もう故山の墓になって居るのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
物語ものがたりき、此像このざうはいするにそゞろに落涙らくるゐせり。(りやく)かくてたる小堂せうだう雨風あめかぜをだにふせぎかねて、彩色さいしき云々うん/\
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
感じて思はず落涙らくるゐ仕り如何にも彦兵衞には有之これあるまじ外に人殺ありと申たるに相違さうゐ御座なく候と申ければ大岡殿聞給ひさらば馬喰町米屋市郎左衞門伯母をばころし金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)