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落涙
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らくるゐ
此の
物語を
聞き、
此像を
拝するにそゞろに
落涙せり。(
略)かく
荒れ
果てたる
小堂の
雨風をだに
防ぎかねて、
彩色も
云々。
感じて思はず
落涙仕り如何にも彦兵衞には
有之まじ外に人殺ありと申たるに
相違御座なく候と申ければ大岡殿聞給ひ
然ば馬喰町米屋市郎左衞門
伯母を
殺金を
落涙す、
蒼白き
頬に。
私は
畏つて
聞き
果てると
膝に
手をついたツ
切何うしても
顔を
上げて
其処な
男女を
見ることが
出来ぬ、
何か
胸がキヤキヤして、はら/\と
落涙した。
見るに寶永二年三月十五日の夜
子の
刻出生と
印し
有ければ
指折算へ見るに當年
恰十一歳なり
忘れもせぬ三月十五日の夜なるがお三婆は
頻に
落涙しテモ御身は
仕合物なりとて寶澤が
顏を
見られ
澘々と
落涙せられ此方はよき家來を持て
滿悦に思ふなり三人の
忠節心體見えて忝けなし去りながら我深き存意も有れば
密かに申聞すべし近ふ/\と三人を
側近くこそ進ませたり