“しわが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
64.5%
皺枯20.6%
皺嗄9.2%
咳嗄2.1%
咳枯2.1%
皴枯0.7%
皺涸0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぼろぼろの皮衣に歩きながら手を通し、しわがれた寝呆け声で口汚なく罵りながら、寒さに縮み上って、渡船夫たちは岸に姿を見せた。
追放されて (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「待て、待ちたまえ」と、皺枯しわがれ声が、人々の背後にあった。雑役夫たちは、麻袋をふたたび氷の上に置いた。皺枯れ声の主は
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
その時私はふっと、例のカサカサと云う皺嗄しわがれた物の音がいまだに右手の闇の中から聞えて居るのに心付いた。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
女は恐ろしさに麻痺まひしたようになっている。そののどからは自分にもほとんど聞えない位な、咳嗄しわがれた叫び声が出た。顳顬こめかみほおとをしっかり抑えられていて、頭を動かす事が出来ない。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
少女はびたる針金の先きをねじ曲げたるに、手を掛けて強く引きしに、中には咳枯しわがれたる老媼おうなの声して、「ぞ」と問う。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
町の尽頭はずれまで来た時に、お杉は初めて立止たちどまった。尾行して来た人々もう散ってしまった。お杉は柳屋のかどに寄って、皴枯しわがれた声で
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
で、水を含ますと、半死の新造は皺涸しわがれた細い声をして、「お光……」と呼んだ。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)