“皺嗄声”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しわがれごえ42.9%
しわがれごゑ28.6%
しわかれごゑ14.3%
しゃがれごえ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
復一にはうまいのかまずいのか判らなかったが、連翹れんぎょうの花をへだてた母屋から聴えるのびやかな皺嗄声しわがれごえを聴くと、執着の流れを覚束なくさおさす一個の人間がしみじみ憐れに思えた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
蒲田はしばらく助太刀の口をつぐみて、皺嗄声しわがれごゑ如何いかに弁ずるかを聴かんと、吃余すひさしの葉巻を火入ひいれして、威長高ゐたけだかに腕組して控へたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「間貫一かい」と皺嗄声しわかれごゑ問反とひかへせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何処からか母が駈出して来たから、私が卒然いきなり、「阿父おとっさんは? ……」と如何どうやら人の声のような皺嗄声しゃがれごえで聞くと、母は妙なかおをしたが、「到頭不好いけなかったよ……」というより早く泣き出した。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)