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皺
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しな
ふりがな文庫
“
皺
(
しな
)” の例文
あまつさえ、風に取られまいための
留紐
(
とめひも
)
を、ぶらりと
皺
(
しな
)
びた頬へ下げた
工合
(
ぐあい
)
が、
時世
(
ときよ
)
なれば、道中、笠も
載
(
の
)
せられず、と
断念
(
あきら
)
めた風に見える。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
はさうでなくても
嘗
(
かつ
)
てはき/\と
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
いたこともなく、
殊更
(
ことさら
)
勘次
(
かんじ
)
に
對
(
たい
)
しては
皺
(
しな
)
びた
顏
(
かほ
)
の
筋肉
(
きんにく
)
を
更
(
さら
)
に
蹙
(
しが
)
めて
居
(
ゐ
)
るので
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
皺
(
しな
)
びた
馬面
(
うまづら
)
に大きな目がでれりとして薄気味悪い男だった。だがおや朝鮮人だなと私は思った。
光の中に
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
葭簀張
(
よしずばり
)
の茶店が一軒、色の黒い
皺
(
しな
)
びた婆さんが一人、真黒な犬を一匹、膝に
引
(
ひき
)
つけていて、じろりと、犬と
一所
(
いっしょ
)
に私たちを
視
(
なが
)
めましたっけ。……
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
横
(
よこ
)
に
据
(
す
)
ゑた
太鼓
(
たいこ
)
を
兩手
(
りやうて
)
に
持
(
も
)
つた二
本
(
ほん
)
の
撥
(
ばち
)
が
兩方
(
りやうはう
)
から
交互
(
かうご
)
に
打
(
う
)
つて
悠長
(
いうちやう
)
な
鈍
(
にぶ
)
い
響
(
ひゞき
)
を
立
(
た
)
てた。
撥
(
ばち
)
に
合
(
あは
)
せる一
同
(
どう
)
の
聲
(
こゑ
)
は
皺
(
しな
)
びて
痩
(
や
)
せた
喉
(
のど
)
から
出
(
で
)
る
濁
(
にご
)
つた
聲
(
こゑ
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
の
皺
(
しな
)
びた上へ
手拭
(
てぬぐい
)
の頬かむりぐらいでは
追着
(
おッつ
)
かない、早や十月の声を聞いていたから、護身用の
扇子
(
せんす
)
も持たぬ。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
火鉢
(
ひばち
)
の
割合
(
わりあひ
)
には
大
(
おほ
)
きな
鍋
(
なべ
)
に
頬
(
ほゝ
)
が
觸
(
さは
)
るばかりにしてふう/\と
火
(
ひ
)
を
吹
(
ふ
)
いた。
鍋
(
なべ
)
のぐず/\と
濁
(
にご
)
つた
聲
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てゝ
居
(
ゐ
)
る
間
(
あひだ
)
彼
(
かれ
)
は
皺
(
しな
)
びた
大
(
おほ
)
きな
手
(
て
)
を
火
(
ひ
)
に
翳
(
かざ
)
しながら
目
(
め
)
を
蹙
(
しか
)
めて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、
例
(
れい
)
の
大鞄
(
おほかばん
)
が、
其
(
そ
)
のまゝ
網棚
(
あみだな
)
にふん
反返
(
ぞりがへ
)
つて、
下
(
した
)
に
皺
(
しな
)
びた
空気枕
(
くうきまくら
)
が
仰向
(
あふむ
)
いたのに、
牛乳
(
ぎうにう
)
の
壜
(
びん
)
が
白
(
しろ
)
い
首
(
くび
)
で
寄添
(
よりそ
)
つて、
何
(
なん
)
と……、
添寝
(
そひね
)
をしようかとする
形
(
かたち
)
で
居
(
ゐ
)
る。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
豆腐も駄菓子も
突
(
つッ
)
くるみに売っている、天井に
釣
(
つる
)
した
蕃椒
(
とうがらし
)
の方が、
燈
(
ひ
)
よりは
真赤
(
まっか
)
に目に立つてッた、
皺
(
しな
)
びた店で、
榾
(
ほだ
)
同然の
鰊
(
にしん
)
に、山家
片鄙
(
へんぴ
)
はお
極
(
きま
)
りの
石斑魚
(
いわな
)
の
煮浸
(
にびたし
)
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この錠前だと言うのを一見に及ぶと、片隅に立掛けた奴だが、
大蝦蟆
(
おおがま
)
の干物とも、
河馬
(
かば
)
の
木乃伊
(
みいら
)
とも
譬
(
たと
)
えようのねえ、
皺
(
しな
)
びて
突張
(
つっぱ
)
って、
兀斑
(
はげまだら
)
の、大古物の
大
(
でっ
)
かい
革鞄
(
かばん
)
で。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
被布から
皺
(
しな
)
びた腕を伸ばして、目八分に、
猪口
(
ちょこ
)
をあげる指形で
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
隣室
(
となり
)
の茶の
室
(
ま
)
で、女房の、その、上の姉が
皺
(
しな
)
びた声。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“皺”の解説
皺(しわ、シワ、en: wrinkle、rhytide)は、皮膚や布のような滑らかな表面にできた、折り目、ひだ、隆起のことである。皮膚上の線はシワと称される。皮膚のシワは典型的には老化過程であり、光による損傷や糖化反応、睡眠姿勢の習慣、体重減少の結果、あるいは一時的に長時間浸水したことで表れる。また表情の習慣、喫煙、潤いの不足、その他様々な要因によって促される。
(出典:Wikipedia)
皺
漢検1級
部首:⽪
15画
“皺”を含む語句
皺枯
皺面
皺嗄声
皺襞
小皺
皺嗄
皺枯声
皺手
皺立
皺溝
皺枯聲
笑皺
縮緬皺
竪皺
皺苦茶
皺腹
立皺
目皺
皺首
眼皺
...