“立皺”の読み方と例文
読み方割合
たてじわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
沼間夫人は、剃り込んだ細い眉の間に立皺たてじわをよせて、いらいらと食堂の入口の方へふりかえりながら、平気な顔で食事を始めている麻耶子まやこ
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかし、いねはアグリの産後いっさいの物音に頭がめ、生家の隠居所にしをしていた。眉間みけんにいつも深い立皺たてじわをよせ、あおい顔をして手拭で鉢巻をしていた。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
かつて叡智に輝やける眉間みけんには、短剣で切り込まれたような無慙むざんに深い立皺たてじわがきざまれ、細く小さい二つの眼には狐疑こぎほのおが青く燃え、侍女たちのそよ風ほどの失笑にも
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)