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立皺
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たてじわ
ふりがな文庫
“
立皺
(
たてじわ
)” の例文
沼間夫人は、剃り込んだ細い眉の間に
立皺
(
たてじわ
)
をよせて、いらいらと食堂の入口の方へふりかえりながら、平気な顔で食事を始めている
麻耶子
(
まやこ
)
に
キャラコさん:01 社交室
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかし、いねはアグリの産後いっさいの物音に頭が
病
(
や
)
め、生家の隠居所に
起
(
お
)
き
臥
(
ふ
)
しをしていた。
眉間
(
みけん
)
にいつも深い
立皺
(
たてじわ
)
をよせ、
蒼
(
あお
)
い顔をして手拭で鉢巻をしていた。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
かつて叡智に輝やける
眉間
(
みけん
)
には、短剣で切り込まれたような
無慙
(
むざん
)
に深い
立皺
(
たてじわ
)
がきざまれ、細く小さい二つの眼には
狐疑
(
こぎ
)
の
焔
(
ほのお
)
が青く燃え、侍女たちのそよ風ほどの失笑にも
古典風
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「それは?——」と、眉のあいだに
立皺
(
たてじわ
)
をよせて、阿賀妻は猫背の案内人を見やった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
暗く黙している隣人に今更きびしい
目
(
まな
)
ざしを止めると、わざと額に
立皺
(
たてじわ
)
を刻んだ。
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
だから、ある時は、修験者のかける大きなつぶの
数珠
(
じゅず
)
を首からかけて、みけんへ深い
立皺
(
たてじわ
)
をよせて
真言
(
しんごん
)
秘密、九字の
咒文
(
じゅもん
)
をきっていることもある。あたしの父が、悪太郎の時分からの知りあいだ。
旧聞日本橋:06 古屋島七兵衛
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
さうしてにつと微笑しながら、頬に
溝
(
みぞ
)
を掘る深い
立皺
(
たてじわ
)
を
撫
(
な
)
でてみた。
曠日
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
「そして、まあ何んて
穩
(
おだ
)
やかな顏をしてゐらつしやるのでせう。」とルヰザは叫んだ——「ほんとになだらかで——私の大嫌ひな
顰
(
しか
)
めた
立皺
(
たてじわ
)
なんぞ一つもありませんわ。それにあの靜かな眼と微笑。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
皺
漢検1級
部首:⽪
15画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立籠
立塞