“ひだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒダ
語句割合
54.5%
飛騨28.0%
襞襀4.2%
2.7%
2.1%
肥立1.8%
乾田1.2%
劈襀0.3%
引板0.3%
斐太0.3%
(他:15)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
袴のひだくずさずに、前屈みになって据わったまま、主人はたれに話をするでもなく、正面を向いて目を据えている。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
鶯茶うぐいすちゃの紋羽織に、ひだのよく切れているはかま穿き、白足袋に福草履という身装みなりなのである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本邦にも、飛騨ひだ牛蒡ごぼう種てふ家筋あり、その男女が悪意もてにらむと、人は申すに及ばず菜大根すらしぼむ。
当時の信濃しなのの国は長野県と筑摩県との二つに分かれ、筑摩県の管轄区域は伊那いなの谷から飛騨ひだ地方にまで及んでいた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
運転手は振向きもしないで答えた。とその瞬間、またしても向うの山の襞襀ひだへ、疾走するクーペの姿がチラッと写った。
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
で、木彫の、小さな、護謨細工ゴムざいくのやうに柔かに襞襀ひだの入つた、靴をも取つて籠の前に差置さしおいて、
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
仕方がない、何でもよいから食物くいもののある所まであるこうと決心をしてそろりそろりと池をひだりに廻り始めた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
素人しろうとにしててゝくはしいものなかくわへぬ、さりとておてらむすめひだづま
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どっちも緑のひだ樺色かばいろに光る同じ色の着物を着ていたジュジュとエレンは、むす子の左右にすわった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
すると音もなく飛びすさるものがあって、数歩の前に富士が、くっきり、雪のひだの目を現わしてそびえ立った。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
お銀は時々そう言って、思うように肥立ひだって来ない自分の体を不思議がったが、やはりずるずるになりがちであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
朝よ夜よ肥立ひだちましまし我等が皇子あてにをさなくますとふはや
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
落葉松からまつ渓間たにまの窪は刈株かりぐひの白う褪せたる乾田ひだ菱畦ひしあぜ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みのの夕映すごき乾田ひだひぢうち絶えて鳴かずかはづひさしく
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
衣裳を畫くに當り、劈襀ひだにぢみなる色を用ゐて他の部分と區別す、はでなる色を用ゐる時は劈襀なることを知り難し、さればひだにふさはしき色を所持せぬ畫家の己がわざをこゝに施しえざる如く、われらの不完全なる想像はかくまで尊くけだかき歌を思ひ浮ぶる能はざるなりと
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
小山田の稲城いなきはなれぬ稗鳥ひえどりを吹きおどろかす引板ひだの夕風
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
引板ひだかけて早稲田守るべくなりにけり穂末におもる秋の初風
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
そしてその新井町の西には山地にかかって斐太ひだ村があり、ここに大字飛太ひだがあって、竪穴や古墳が多く遺され、先年その古墳の一つから、奥羽地方縄紋式石器時代遺蹟から多く発見せられる内反うちそり石刀に系統ありやに思わるる内反刀とともに
「ケット」と「マット」 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
広瀬淡窓は人も知つてゐる如く豊後日田ひだの儒者であつた。ある時養子の青邨せいそんが淡窓に訊いた事があつた。
彼は秋の朝の光の輝く、山国川の清冽せいれつな流れを右に見ながら、三口から仏坂の山道を越えて、昼近き頃樋田ひだの駅に着いた。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
健三の帰る時、姉はこんな事をいって、あん比田ひだの戻るまで話して行けと勧めたが、彼にはそれほどの必要もなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あんなものあ、うちにあったって仕方がないんだから、持って御出でよ。なに比田ひだだってりゃしないやね、汚ない達磨なんか」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
火避ひよ火断ひだちをすれば、火神の霊験で必ず願望が成るとは、里人の信仰ですが、そのような伝説は、いったい何から由来したものでございましょうか」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長くねった皴折ひだの白い衣は、幾十回となく起伏を重ねて、凹面にはデリケートな影をよどませ、凸面には金粉のような日光を漂わせ、その全体は、単純一様に見えながら、部分の曲折、高低、明暗は、複雑な暗示に富み
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
四肢のしなやかさは柔らかい衣のひだにも腕や手の円さにも十分現わされていながら、しかもその底に強剛な意力のひらめきを持っている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
わたくしの欲望ねがひは高くまた低く、皺襞ひだの高みでは打ゆらぎ、谷あひでは鎮まりまするが、白と薔薇色のおんみの御体みからだを一様に接吻くちづけで被ひまする。
それに関口せきぐちさんと肥田ひださんは鉄道てつだうにはりたとつて、何日いつでもお馬車ばしやで。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ハア、お一人は静岡しづをか知事ちじをなすツた関口せきぐちさん、お一人は御料局長ごれうきよくちやう肥田ひださんで、お情交なかいもんだから、何時いつでも御一緒ごいつしよで。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
白い眼をむいて、黒ずんだ昆布のひだを思わすようなギサついた口唇の横から、撲殺される刹那に、自分の歯で××食いちぎったらしい血まみれの舌××××××を、だらりと意気地なく吐き出していた。
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
かさは浅い鐘形で径五分ないし一寸ばかり、灰白色で裏面の褶襞ひだは灰褐色である。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
こころみに諸君と共に、郊外に立って雪の山を見よう、雪が傾斜のある土の上に落ちると、水のように低きに就く性質を有するから、山の皺や襞折ひだの方向に従って、それを溝渠として白い縞を織る。
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
そしてその新井町の西には山地にかかって斐太ひだ村があり、ここに大字飛太ひだがあって、竪穴や古墳が多く遺され、先年その古墳の一つから、奥羽地方縄紋式石器時代遺蹟から多く発見せられる内反うちそり石刀に系統ありやに思わるる内反刀とともに
「ケット」と「マット」 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
わしら若い時飛彈ひだに行きやしたが、あちらあ赤痢が地方病でごわしてなあ、まるで村中赤痢だつつうに死ぬ者あ一人もねえでごわす。それつつうが、みんな赤痢の性質をわきまへて居るからなんで、なんでも赤痢は命にかゝはる病ではねえやつで、病人がしきりに糞をまり度がつちやあ便所へ行きやせう、ところが出てえには出てえだが、さて出ねえのが此の病のきまりでごわすから、何度通つても同じだ。
山を想ふ (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
「二三ヶ月前に入門いたしました、飛田ひだ庄介、前川満兵衛、それから山村紋左衛門、ちと私には怪しいように……」
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ドルフが出てさへ来れば、じやうのある口の両脇に二本の𧞃ひだが出来て、上唇を上へ弔り上げる。