“偏僻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へんぺき50.0%
へんぴ28.6%
かたいじ7.1%
かたいぢ7.1%
ひがみ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その方便なりと信ずるは、その学術の正しからず、心事の正大ならざるのみならず、またその水戸学の偏僻へんぺきを脱するあたわざるに由るなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
長い曲りくねった路をドライヴしているうちに思うことは、こんな偏僻へんぴな所に、自動車も何にもない頃どうして住んでいたろうという事である。
バークレーより (新字新仮名) / 沖野岩三郎(著)
偏僻かたいじ張ってなんのつまらぬ意気地立て、それを誰が感心なとめましょう、親方様の御料簡につけば第一御恩ある親方のお心持もよいわけ、またお前の名も上り苦労骨折りの甲斐も立つわけ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
女の差出た事をいふと唯一口に云はるゝか知らねど、正直律義も程のあるもの、親方様が彼程あれほどに云ふて下さる異見について一緒に仕たとて恥辱はぢにはなるまいに、偏僻かたいぢ張つて何の詰らぬ意気地立て
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この場合、そうした偏僻ひがみや邪推の出るのも無理はなかった。知らない東京のまんなかへ突き出されて、一緒に死のうとまで思いつめている男に振り捨てられたとなれば、定めて悲しくもあろう。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)