辺僻へんぴ)” の例文
囲炉裡ゐろり焚火たきびをしておあたんなさいまし、おこまんなすつたらう此雪このゆきでは、もう此近このちかく辺僻へんぴでございまして御馳走ごちそうするものもございません。
あのにぎやかな日本橋の真中まんなかにあった私の家が、こう云う辺僻へんぴな片田舎へ引っ越さなければならなくなってしまったこと、昨日に変る急激な我が家の悲運
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
飛騨ひだのある山家辺僻へんぴに勤務した事があって、深い谷陰、高い崖に煙草の密造をする奴をしらべに行ったのじゃね。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)