見落みおろ)” の例文
この町は荒海のほとりにある。石油がでるので斯様こんな辺鄙へんぴな処にも小さな町が出来たのだ。北の空の冴え冴えしいのは見落みおろす下には真青な海があるからのせいもある。北風の強いのも海が近いからである。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
海が足許あしもとまで来ているように真蒼まっさおな日本海を左手に見落みおろした。下の製造場を眺めると、家根が低く、平たく、白くなっていて自分の上って来た細い梯子は中程から霞んで消えて下の方は見えなかった。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)