“露台”のいろいろな読み方と例文
旧字:露臺
読み方割合
バルコニー26.9%
ろだい25.0%
バルコン15.4%
テラス7.7%
バルコニ5.8%
ろたい3.8%
ベランダ1.9%
テレス1.9%
バルコオン1.9%
みはらし1.9%
テラッス1.9%
テラース1.9%
バルコニイ1.9%
ヷルコン1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと見ると、その窓側の露台バルコニーに、古びた長椅子の上に、真鍮のボタンの付いてゐる上衣を着た一人の老人が腰掛けてゐました。
首相の思出 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ぼくは二階の廊下ろうかを歩き、屋上の露台ろだいのほうへ登って行きました。眼の下には、するどバウをした滑席艇スライデングシェルがぎっしり横木につまっています。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
かつてツーロンの市庁の露台バルコンが修繕さるる時、その露台をささえているピュゼーの有名な人像柱の一つがゆるんで倒れかかったことがあった。
鹿島家の洋館の露台テラスで、社長はじめ敬吉兄妹きょうだい、文吾などを前にして、津川重造はすっかり落ちついた静かな調子で話していた。
水中の怪人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
影は元気をとりかえすつもりか、のびられるだけたかく、せいのびするように見えました。学者は、露台バルコニへ出ると、のびをひとつしました。
初夏の露台ろたいに見れば松花江それもロシヤのあゐ色のぬの
上の露台ベランダだろう、朝からハーモニカを持ち出して、幼稚な、騒々しい音を、吹きちらしている者があった。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侯爵閣下のそのやかたは、どっしりとした建物であって、その前面には石を敷いた広い庭があり、二条の彎曲した石の階段が、表玄関のドアの前にある石の露台テレスで出会っていた。
ただ彼は彼を乗せている動かぬ露台バルコオンが絶えず時間の上で疾走しつつあるのを感じたにすぎなかった。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
……さあさあひときり露台みはらしへ出ようか、で、塀の上から、揃ってものほしへ出たとお思いなさい。日のほかほかと一面に当る中に、声ははしゃぎ、影は踊る。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天が下にたぐいまれな荒れ大王と、珈琲キャフェ店の露台テラッスでも四つ辻でも、たがいに物凄い法螺ほらの吹き合いから、果てはつかみ合いに及ぶという見るも勇ましき盛況。
あなたも覚えてらっしゃるでしょう、毎晩いつも夕食のあとで、あなたと二人、庭の露台テラースに腰かけて、よくこれと同じような題目テーマで、これと同じようなことを、盛んに話したものじゃありませんか。
まったく山家やまがはのん気だ。つい目と鼻のさきには、化粧煉瓦けしょうれんがで、露台バルコニイと言うのが建っている。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)