露台ベランダ)” の例文
旧字:露臺
上の露台ベランダだろう、朝からハーモニカを持ち出して、幼稚な、騒々しい音を、吹きちらしている者があった。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
苦もなく二階の露台ベランダへ上ったトムは、そこの扉を押してみたが開かないので、やがて今度は物干綱の先に何やら結びつけて、何度も何度も三階の手欄てすりへそれをほうっていた。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女中は旨をうけて、さっそく露台ベランダへ上がって行ったらしいけれど、ハーモニカはやまなかった。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)