なが)” の例文
おもむろに庭樹をながめて奇句を吐かんとするものは此家の老畸人、剣をなでし時事をうれふるものは蒼海、天を仰ぎ流星を数ふるものは我れ、この三箇みたり一室に同臥同起して、玉兎ぎよくと幾度いくたび
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
しかるに予が近づきながめると一、二分間予を凝視したのち逃げ去るのが面白い。
市街は見ず、橋から引返えす。帰路斗満橋上に立って、やゝ久しく水の流を眺める。此あたり川幅かわはば六七間もあろうか。㓐別橋からながむる㓐別川の川床荒れて水の濁れるに引易ひきかえ、斗満川の水の清さ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)