“敵慨心”の読み方と例文
読み方割合
てきがいしん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「H・S」はそれに備えるために、政府を動かして、国民一般の愛国心とソヴエート・ロシアに対する敵慨心てきがいしんを煽り立てなければならなかった。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
軍隊を狙撃そげきする軍隊なのである。そのような、不可解な軍隊を向うに廻して、東山少尉の部下は、敵慨心てきがいしんを起す前に、悒鬱ゆううつにならないわけにゆかなかった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そういうと、取次の女房よりも先に、とんとんとん階段を降りた彼女は、悲壮な敵慨心てきがいしんに燃え、身体が冷水を浴びたように、ひきしまるのを感じた。階下のホールは暗かった。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)