“がい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ガイ
語句割合
甲斐34.4%
15.7%
11.7%
5.4%
4.7%
我意3.7%
3.7%
3.3%
3.0%
2.3%
2.0%
1.7%
1.7%
1.0%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
和地家へ嫁してきて、生れてはじめて農事に手をつけたとき、だから伊緒はかえって生き甲斐がいをさえ感じた、——すべてはこれからだ。
日本婦道記:春三たび (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
まへ内外ないがい火山かざん巡見じゆんけんした場合ばあひ記事きじかゝげていたが、諸君しよくん兩方りようほう比較ひかくせられたならば、國内こくない火山作用かざんさようがいしておだやかであつて
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そこで、感情かんじやうがいしてるなと、此方こつちではおもつてる前方せんぱうが、くだん所謂いはゆる帳場ちやうばなるもの……「貴女あなた、これはつてかれますか。」とつた。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ある人は一年後に濠洲の真珠業が廃滅するに際し日本へ帰るがい地の人夫一万人をこの地で喰ひ止める事が出来ると云つて楽観して居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
松本はがい一咳いちがいしつ「我が鍛工かぢこう組合の評議員篠田長二君の身上について、一個の動議を提出するんですから、先づ同君にむかつて暫時退席を要求致します」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
答らるゝに伊豆守殿點頭うなづかれ成程當節たうせつは越前を名奉行と人々うはさを致すやに聞及べりされは越前はきらひなり兎角に我意がい振舞ふるまひ多く人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旅空かけて衣服きものをどうするだ、とわし頼まれがいもなかったけえ、気の毒さもあり、急がずば何とかで濡れめえものを夕立だ、と我鳴がなっった時よ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『このとほりは僕等がアカシヤがいと呼ぶのだ。彼處に大きい煉瓦造りが見える。あれは五番館といふのだ。………奈何どうだ、氣に入らないかね?』
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
地蔵様の近くに、若い三本松と相対して、株立かぶだちの若い山もみじがある。春夏は緑、秋は黄と紅のがいをさしかざす。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
なんの因果で、こんな隻眼隻腕の痩せ浪人に……と、はたの眼にはうつるだろうが、お藤の身にとっては、三がい一の殿御とのごです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もしまたうつせがいが、大いなる水の心を語り得るなら、渚に敷いた、いささがいの花吹雪は、いつも私語ささやきを絶えせぬだろうに。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あのちひさな建築技師けんちくぎしが三がいも四かいもあるてゝ、一かいごと澤山たくさん部屋へやつくるのですから、そこには餘程よほどあはせたちからといふものがはいつてるのでせう。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そして、会計部の事務室へ入ると、がいとうと帽子をかたえの壁にかけながら、如何いかにも落ちつかぬ様子で、キョロキョロとしつの中を見まわすのでした。
算盤が恋を語る話 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そこは放しがいよ。外にねぐらがないんですもの、もとの巣へ戻ると思うから平気なもの。それとも直ぐ帰れなんのって、つれに来れば、ちょっと、隠形おんぎょうの術を使うわ。——一座の花形ですもの。
上ること廿四丁、蟠廻はんくわい屈曲して山腹岩角を行く。石塊𡵧𡵧ぐわん/\大さ牛のごとくなるもの幾百となく路に横りがいそばたつ。時すでに卯後、残月光曜し山気冷然としてはだへとほれり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
当時、増上寺の地続きに金地院という寺があったが、この寺の住職は駿州大納言派で自分の敗北をがいし、江戸城紅葉山で割腹自殺した事件なども起こった。
増上寺物語 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「粟津原。戦場陳迹望湖山。荒冢碑存田稲間。十里松原途曲直。柳箱布幞旅人還。」松原と云ひ、柳箱と云ふ、用ゐ来つて必ずしも眼をがいせず。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
大草原おほくさはら沙塵捲きつつ響きし百の戦車のがい燃えにけり
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
二月に至り、燕王入覲にゅうきんす。皇道こうどうを行きて入り、陛に登りて拝せざる等、不敬の事ありしかば、監察御史かんさつぎょし曾鳳韶そうほうしょうこれをがいせしが、帝曰く、至親ししん問うなかれと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
北平の按察使あんさつし僉事せんじ湯宗とうそう按察使あんさつし陳瑛ちんえいが燕のこがねを受けて燕の為に謀ることをがいするあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
清川安策そんは豊後国岡の城主中川氏の医官清川玄道がいの次男であつた。玄道は蘭門の一人で、其長男がちよう、次男が孫である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
蘭門の清川がいは家世より言へば孫の祖父、実は孫の父であつた。是は既に云つた如く孫が所謂順養子となつたからである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
仏典にはこれを一女の故を以て十八がい(今のかぞえ方で百八十億)の大衆を殺した喧嘩ばかり書いた詰まらぬ物とけなし、『六度集経』にも羅摩を釈尊、私陀をその妻瞿夷くい
羅摩泥(ラーヴァナ)私陀(シタ)をち去り羅摩(ラーマ)還って将ち来るに一女の故に十八がい(今いう百八十億)の多数を殺し、また喧嘩けんかの事ばかり述べあるは至極詰まらぬとあるより
がいむらさきしやべて四十里しじふり歩障ほしやうつくれば、そうにしきへてこれ五十里ごじふりる。武帝ぶていしうとちからへて、まけるなとて、珊瑚樹さんごじゆたか二尺にしやくなるをたまふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かつ河陽かやう金谷きんこく別莊べつさういとなむや、花果くわくわ草樹さうじゆ異類いるゐ禽獸きんじうひとつとしてあらざるものなし。とき武帝ぶていしうと王鎧わうがいへるものあり。驕奢けうしや石崇せきそう相競あひきそふ。がいあめもつかまれば、そうらふもつたきゞとす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
河西野は市河寛斎で、其長子が米庵べいあんがい、次子が雲潭祥胤である。出でて鏑木梅渓の養子となつた。梅渓、名は世胤せいいん、字は君冑くんちうである。長崎の人で江戸に居つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
園ノ西南がいツテコレヲ径ス。眺観豁如かつじょタリ。筑波つくば二荒ふたらノ諸峰コレヲ襟帯きんたいルベシ。厓下ニ池アリ。さかしまニ雲天ヲひたシ、芰荷菰葦叢然きかこいそうぜんトシテコレニ植ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その議論は往々わうわう快刀乱麻を断つがいがある。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「考へて見りや、わしはしやばでわるいことばかりしましただ。お経一節ろくによめないやうなわしと、一生がい仏様につかへて来なさつた和尚さんと、同じところへ行けないのはあたりまへかも知れません。」
百姓の足、坊さんの足 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
流れがいには、押太鼓
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)