がい)” の例文
「じつは、森のなかを(1)一角獣いっかくじゅうがかけまわっておって、ひどいがいばかりしておる。まず、こいつを生けどりにしてもらいたい。」
そこで、感情かんじやうがいしてるなと、此方こつちではおもつてる前方せんぱうが、くだん所謂いはゆる帳場ちやうばなるもの……「貴女あなた、これはつてかれますか。」とつた。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それからまたどく』としるしてあるびんから澤山たくさんめば、それが屹度きつとおそかれはやかれからだがいになるものだとふことをけつしてわすれませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
阿蘇あそ活動かつどうみぎほか一般いつぱん火山灰かざんばひばし、これが酸性さんせいびてゐるので、農作物のうさくぶつがいし、これをしよくする牛馬ぎゆうばをもいためることがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
是等が真面目しんめんもくならざる宗教家しふけうかなり、彼等の存在そんざい教会けうくわいがいあり、社界しやかいに害あり、国家こくかがいあり、今日は彼等を排除はいぢよすべき時なり。
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
助くるが趣意しゆいなりとて王法わうはふ有りての佛法なれば國の政事せいじに口出しはならず又役人と雖も筋道すぢみちなくして人をがいすべきや其九助と云者假令たとへたび人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
第三 さけちや菓子かしるゐ食時しよくじせつ少々せう/\もちゐて飮食いんしよく消化せうくわたすくるはがいなしといへども、その時限じげんほか退屈たいくつときもちゆとうがいあること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
しかし、どのくまも、おおかみも、人間にんげんがいをしないというのではありません。そんなひとたすけるというようなことは、じつにまれなはなしであります。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは四面しめん鐵檻てつおり堅牢けんらうなるうへにも堅牢けんらうならんことのぞんで、如何いか力強ちからつよてきおそひきたつても、けつして車中しやちう安全あんぜんがいせられぬため特別とくべつ注意ちうゐであるさうな。
(ホ)ゆきなだれと海嘯つなみ防止ぼうし。 それからまへにおはなしした洪水こうずい豫防よぼうや、水源すいげん涵養かんようのほかに森林しんりん雪國ゆきぐにですと『ゆきなだれ』のがいふせぐことも出來できます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
(一〇九)もと貴戚きせきことごと呉起ごきがいせんとほつす。悼王たうわうするにおよんで、宗室大臣そうしつだいじんらんして呉起ごきむ。呉起ごきはしつてわうきてこれす。
〔譯〕前人は、英氣えいきは事をがいすと謂へり。余は則ち謂ふ、英氣は無かる可らず、圭角けいかくあらはすを不可と爲すと。
元來ぐわんらい咽喉いんこうがいしてゐたわたくしは、手巾ハンケチかほてるひまさへなく、このけむり滿面まんめんびせられたおかげで、ほとんどいきもつけないほどきこまなければならなかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
覆面の眼の部には小き孔ありて此所ここより外を見たりとすれば、光線くわうせんの反射が甚く眼をがいする事はかりしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そのがい一端いったんのみを見てただちにそのものの無用をろんずるのは、あまりにあさはかな量見りょうけんであるかもしれない。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「まあいいや、二月の末まで待ってみよう。がいはしないとあいつは約束したんだから、たいてい大丈夫だいじょうぶだろう」
天下一の馬 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
それには種々しゆ/″\理由りゆうがあるでせうが、そのひとつはてき襲撃しゆうげきのがれ、猛獸もうじゆうがいけるためであつたでせう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
けれども、それために、却つて平岡の感情をがいする事があるかも知れないと思つた。代助は其悪結果の極端として、平岡と自分の間に起り得る破裂をさへ予想した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あま猛烈もうれつてるので、地主ぢぬし感情かんじやうがいして、如何どう中止ちうししてもらひたいと掛合かけあひるのである。
だけど、ガチョウさん、このチビさんがわれわれになんにもがいくわえないと、おまえさんが受けあってくれるんなら、今夜こんやはいっしょにいてもいいということにしましょう。
氏のめにはかれば、たとい今日の文明流に従って維新後いしんごさいわいに身をまっとうすることを得たるも、みずからかえりみてわが立国りっこくめに至大至重しだいしちょうなる上流士人の気風きふうがいしたるの罪を引き
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
もちろん、そのためにからだがいがあってはなんにもならないが、そのてん自信じしんがあったのだ
れはかれふるくから病院びやうゐんにゐるためか、まち子供等こどもらや、いぬかこまれてゐても、けつして何等なんらがいをもくはへぬとことまちひとられてゐるためか、かくかれまち名物男めいぶつをとことして
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
切めてはがいを加へ參らせじとのすさび、憎くき奴とは思し給ふとも、うせたる後は吊らはせ給へとて、眞心よりの涙に詞はふるへて、たゝみにつきたる手をあげも得せず、恐れいりたる躰
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
冬にいたりて帰蟄きちつする者なればなり、つ一行二十七名の多勢なれば、如何なる動物どうぶつと雖も皆遁逃とんとうしてただちにかげしつし、あへがいくわふるものなかりき、折角せつかく携帯けいたいせる三尺の秋水しうすゐむなしく伐木刀とへん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
珈琲コーヒーがい 夏 第百二十四 食物の性質
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
すごしたり然共吾助は喜内をがいし奪ひ取し金も二百兩のうちおほくもつかはずかくし持しかば其の金のあるまかせて藤重ふぢしげこのむと云物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あの犬どもは、どうしてここにくって、この国にがいをなしているのか、犬のことばでわたくしに話してくれました。
本人ほんにんは、引手茶屋ひきてぢややで、勘定かんぢやう値切ねぎられたときおなじに、これ先方むかう道具屋だうぐや女房かみさん)も感情かんじやうがいしたものとおもつたらしい。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると、おおかみは、まったくかれのいったことをきわけたものとみえて、がいくわえるようすもなく、与助よすけあとについてあるいてくるのでありました。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのはやしがあるので、ただに景色けしきがいゝばかりでなく、まへにもおはなししたように海嘯つなみがいふせぐことも出來できます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
是太陽の光線くわうせんが積雪の表面或は海水の表面へうめんより反射し來つて眼をがいするを豫防せんが爲なり。其原料そのげんれうには獸の皮と木との別あれど余は是等これとふを總稱して遮光器しやくわうきと言ふ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
三十七ねんげつ大雪おほゆきがいと、その七月しちぐわつ疫疾えきしつために、牛馬ぎうばそのなかばうしなひたるの災厄さいやくあり。其他そのた天災てんさい人害じんがい蝟集ゐしふきたり、損害そんがいかうむことおびたゞしく、こゝろなやましたることじつすくなからざるなり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
しミツシヨンより金をもらこと精神上せいしんじやうかれかれ教会けうくわいの上にがいありとしんずればたゞちに之をつにあり、我れゆるとも可なり、我の妻子さいしにして路頭ろとうまよふに至るも我はしのばん
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
鐵車てつしや嚴重げんぢゆうなることと、彈藥だんやくおびたゞしく用意ようゐしてこととで、今日こんにちまで猛獸まうじうがいまぬかれてるが、其内そのうち困難こんなんかんじてたのは、糧食りようしよく飮料水いんれうすいとの缺乏けつぼうとである、すでに昨日きのふから
それはかれふるくから病院びょういんにいるためか、まち子供等こどもらや、いぬかこまれていても、けっして何等なんらがいをもくわえぬとうことをまちひとられているためか、とにかく、かれまち名物男めいぶつおとことして
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「しずかにしてくれたまえよ、ケンプ。きみをおどしたり、きみにがいをくわえるつもりできたんではないんだ。ぼくはいまこまっているんだ。きみの助けがほしくてやってきたんだよ」
其他そのた正體えたいれぬものにがいされたりした子供こどもはなし種々いろ/\んでゐたからです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
〔譯〕眞己しんこを以て假己かこつ、天理なり。身我しんがを以て心我をがいす、人欲じんよくなり。
さりながらなふべきことならず、かりにもかゝるこゝろたんは、あいするならずしてがいするなり、いでいまよりは虚心きよしん平氣へいきむかしにかへりてなにごとをもおもふまじと、斷念だんねんいさましくむねすゞしくなるは
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きゝしなれば少しは心のみだれもせん此度吾助が兄君をがいせしはみな我身わがみより起りしことと思はるゝなり其のわけ日外いつぞやよりして吾助事我が身に度々たび/\不義を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれど、べつに、自分じぶんたちにがいくわえるものでないとったときに、はなは、たちにかってはなしかけました。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その内部ないぶ葉緑粒ようりよくりゆうは、毎日まいにち日光につこうちからをかりて、空氣中くうきちゆうにある、人間にんげんがいをする炭酸瓦斯たんさんがすひ、そのかはりに、人間にんげんになくてはならない酸素さんそをはきして
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
「まあ、わたしをそのほえくるっている犬のところへやってください。それから、なにか犬にやるものをください。だいじょうぶ、わたしにがいをくわえるようなことはさせません。」
あゝ絶體絶命ぜつたいぜつめい……うだ。何時いつ貴方あなた露西亞ロシヤには哲學てつがくい、しかたれも、かれも、丁斑魚めだかでさへも哲學てつがくをすると有仰おつしやつたつけ。しか丁斑魚めだか哲學てつがくをすればつて、だれにもがいいのでせう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかれどものちつひ緑珠ろくじゆことによりて、中書令ちうしよれい孫秀そんしうがためにがいせらる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またそこには、はとが、たくさんいたのであります。はとは、子供こどもらにれていました。人間にんげんが、自分じぶんたちに、けっしてなにもがいくわえるものでないとっていたからです。
ごみだらけの豆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ああ絶体絶命ぜったいぜつめい……そうだ。何時いつ貴方あなた露西亜ロシヤには哲学てつがくい、しかしたれも、かれも、丁斑魚めだかでさえも哲学てつがくをすると有仰おっしゃったっけ。しかし丁斑魚めだか哲学てつがくをすればって、だれにもがいいのでしょう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こうして、若者にはなんのがいもくわえませんでした。
こうして、いつということなしに、つばめは北方ほっぽうんでいけば、人間にんげん自分じぶんたちを保護ほごしてくれるものでこそあれ、けっしてがいくわえるものでないことをったのであります。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)