“がけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
崖81.0%
崕7.6%
掛3.9%
断崖2.8%
懸0.7%
厓0.5%
崩穴0.5%
絶壁0.5%
賭0.5%
崕穴0.2%
懸崖0.2%
断崕0.2%
斷崖0.2%
絶崖0.2%
翔0.2%
間際0.2%
陰0.2%
険崖0.2%
駈0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十番地は乃木坂(のぎざか)のちかく、わたしの住居(すまい)の裏の崖(がけ)の上になっている。いま、音楽家の原信子(はらのぶこ)の住んでいるところとの間になっている。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
良心の呵責に耐え切れず、漸く見出した隙間を見て、お鉄の家の裏庭から、崕(がけ)を雑草に縋(すが)りながら、谷地の稲田の畦路(あぜみち)にと降りた。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
なかんずく灰吹(はいふき)の目覚しさは、……およそ六貫目掛(がけ)の筍(たけのこ)ほどあって、縁(へり)の刻々(ささら)になった代物、先代の茶店が戸棚の隅に置忘れたものらしい。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女(おんな)は油(あぶら)ヶ壺(つぼ)の断崖(がけ)の上(うえ)に居(お)りまして、しきりに小石(こいし)を拾(ひろ)って袂(たもと)の中(なか)に入(い)れて居(い)るのは、矢張(やは)り本当(ほんとう)に入水(にゅうすい)するつもりらしいのでございます。
請け戻(もど)し度と豫(かね)て心懸(がけ)居たることなれば江戸へ出て一稼(かせ)ぎなさんと思ひ九郎兵衞とも種々相談なせし上女房お里にも得心(とくしん)させ夫より九助は支度を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
春日町辺の本郷側の厓(がけ)の下には水田があって蛙が鳴いていた。本郷でも、大学の前から駒込の方へ少し行けば、もう町はずれにて、砂煙の中に多くの肥車(こえぐるま)に逢うた。
一昨年(をととし)のこと、例のフォマ・グリゴーリエヸッチがディカーニカからやつて来て、たうとう新らしい馬車と鹿毛(かげ)の牝馬もろとも、崩穴(がけ)へ落つこちてしまつたといふ始末でな
奥様はまだ何か言いたそうにして、それを言得ないで、深い歎息(ためいき)を御吐(おつ)きなさるばかりでした。危い絶壁(がけ)の上に立って、谷底でも御覧なさるような目付をなさりながら、左右を見廻して震えました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「だってお前、おれが一度仕事に行った浜町の砂利場にゃ、平気で一升賭(がけ)をする奴があるぜ」
醤油仏 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて山峡に崕穴(がけ)ありて、底を極めし者もなく、この地上より天涯に達する程の奈落なり。しかも山路はその崕穴(がけ)の真上の縁を通ずるなり——二人ならばまだしもあれ、三人は並んで通り難し。
セルギウスは夕方になつて或る村の畔(ほとり)に来た。併しその村には足を入れずに河の方へ歩いて往つて、懸崖(がけ)の下で夜を明かした。
その目を開ける時、もし、あの丈(たけ)の伸びた菜種(なたね)の花が断崕(がけ)の巌越(いわごし)に、ばらばら見えんでは、到底(とても)この世の事とは思われなかったろうと考えます。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
斷崖(がけ)の清水(しみづ)に龍女(りうぢよ)の廟(べう)あり。われは浦島(うらしま)の子(こ)か、姫(ひめ)の靈(れい)ぞと見(み)しが、やがて知(し)んぬ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
けれども、わずかに一町ばかり、はやく絶崖(がけ)の端へ出て、ここを魚見岬(うおみさき)とも言おう。町も海も一目に見渡さる、と、急に左へ折曲って、また石段が一個処ある。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「秋風に山吹の瀬の響(とよ)むなべ天雲(あまぐも)翔(がけ)る雁に逢へるかも」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
御承知か知りませんが、鰒に中毒(あた)ると何もかも痲痺(しびれ)てしもうて、一番しまい間際(がけ)に聴覚(みみ)だけが生き残ります。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
果てなき原の草の上、巌角(いわかど)するどき険崖(がけ)の際(きわ)、鉄の蹄(ひづめ)の馬立てて、討手(うちて)に進む我が心
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
正月飾りに、魚河岸に三個(みッつ)よりなかったという二尺六寸の海老(えび)を、緋縅(ひおどし)の鎧(よろい)のごとく、黒松の樽に縅した一騎駈(がけ)の商売では軍(いくさ)が危い。家の業が立ちにくい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)